ゼロの使い魔 21

著/ヤマグチノボル イラスト/兎塚エイジ レーベル/MF文庫J

MF文庫J2月新刊。
闘病の末に帰らぬ人となったヤマグチノボル先生。その代表作で未完のままとなっていたゼロ魔が、残されていたプロットを元に5年の時を超え続刊が刊行されました。
ページ数はMF文庫Jの恐らく限界ページ数に近い330ページ越え(MFは統一価格のためだいたい270ページくらいの作品が多い)。クライマックスに相応しく読みごたえもありました。
リーヴスラシルの能力など、物語の根幹にかかわる重大なネタバレをしているので未読の人はスルーしてくださいね。
待望の新刊なので、ファンの方々はみんな読み終えて大丈夫だろうとは思いますが、一応念のため。
.
.
.
.
.
.
.
神の心臓リーヴスラシルの能力は、虚無の担い手への「魔力供給機」でした。リーヴスラシルとなった使い魔は、その生命力を虚無の担い手の精神力へと転換します。つまり命を削って虚無の担い手に奉仕するための使い魔です。
命を使い終わると枠が空くので新たなリーヴスラシルと契約できるとかもあるかもしれません。文字通り使い捨てのエネルギー供給源としての使い魔。
既にサイトは精神力が足りなくなったルイズやティファニアに生命力を吸われています。最終巻ではさらに命を吸われることでしょう。四の四が揃ったことでルイズが習得した都市すら一撃で灰燼と化す最後の虚無「生命(ライフ)」も、リーヴスラシルの命を使い尽くすことが前提みたいです。
最終巻でサイトがどうなるのかハラハラドキドキが止まりません。
.
聖地=始祖ブリミルが最初に降り立った土地=竜の巣=地球とのゲートがある場所。
21巻最後で、教皇のワールドドアによって聖地を介して遂にハルケギニアが地球へと繋がります。
ブリミルはエルフや人間と一緒になって、ゲートを介してやってくる地球人と戦っていました。21巻のサブタイトルは <六千年の真実>ですが、実は21巻ではあまり核心部分には触れられていません。最終巻22巻までお預けなのでしょう。全裸待機しないといけません。いつ出るのかな最終巻。今から楽しみです。
.
「忘却」しか使えなかったティファニアが、対象を原子分解する凶悪虚無魔法「分解(ディスインテグレート)」を習得。
虚無の系統は「物質を構成する極小の粒への干渉」です。
.
閃光のワルド、土くれのフーケ、元素の兄弟ら、過去の強敵たちとの共同戦線。
デルフリンガーを売ってくれた1巻の武器屋のおっちゃんまで登場、クライマックス感は既にマックス。
前二人は挿絵付き、兎塚エイジ先生のイラストも気合入りまくってました。
.

サイトを助けに行くこのシーンとかとてもいいと思います。
.
ジュリオは最後に教皇を裏切りそう。サイトとの友情がどうのあったので。
ボクが読みたかったゼロ魔がそこにはありました。
良かったわ。とても良かった(´;ω;`)