ゼロの使い魔 最終巻22巻 ゼロの神話

著/ヤマグチノボル イラスト/兎塚エイジ レーベル/MF文庫J

MF文庫J2月新刊。
1巻の発売から13年の年月を経て、MF文庫Jの代名詞ともいえる「ゼロ魔」がついに完結です。
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ネタバレあるんで未読の人はスルーしてね。
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サイトがハルケギニアに召喚されてからまだ1年半しかたってないのね。
もう一つの「生命」を使ったデルフが超格好良かった。サイトとの最後の会話とかほんと泣ける。
ルイズのために死ぬとまで言ってたサイトが、最後えらくあっさりルイズより地球という故郷と家族を選んだのが驚き。あとサイトとルイズが地球でやっていけるか不安。
虚無って結局なんだったのか。でも全て知ってるヤマグチノボル先生がもういないのでしゃーないかな。
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あとはさらにネタバレと言うか、メモ的な。
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悲劇の使い魔リーヴスラシルを助けるためには虚無を失わせる必要があり、その方法は2つ、聖地への帰還orガンダールヴが主人を殺すこと。
6000年前ブリミルは最後の虚無「生命」を全力では撃てなかった。全てはリーヴスラシルとなり代償として命を失うはずだったサーシャを生かすため。結果、風石を暴走させている「大いなる意志(山脈となった精霊石の塊)」は半壊にとどまり、「生命」の大爆発に巻き込まれて半数が死んだエルフと、「悪魔」ブリミルの子孫たる人間は6000年に渡って憎しみ合う事に。
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さらにブリミルはサーシャに殺されることで虚無を失わせてサーシャを生き残らせます。
ブリミルはエルフの少女を愛してしまい、世界を救うことよりもマギ族を救うことよりも、サーシャへの愛を優先してしまったのでした。
ブリミルが今わの際にデルフリンガーに使った虚無の魔法がもうひとつの「生命」。これは自分と同じ悲劇を繰り返させないための、使い魔を生き延びさせるいわば「復活の呪文」。
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虚無の系統は、原子に作用し振動させる魔法。つまり原子力兵器に近いもの。そりゃ初歩魔法のエクスプロージョンですら半端なく強いわ。
教皇は核攻撃に似た性質をもつ虚無の最高位魔法「生命」で米軍基地を攻撃し、アメリカの報復から始まる核による報復合戦を誘発させ、核戦争によって地球側に壊滅的なダメージを与えることで戦力差を埋めて地球を侵略する計画だったようです。
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教皇は地球の文明の進歩の速さを恐れていました。
ハルケギニアでは圧倒的な力を持つ伝説の虚無魔法。しかしその虚無系統に近い原子力まで手に入れた地球人類が、そう遠くない未来にゲートを開く技術(虚無の系統)を獲得しハルケギニアに侵攻してくる前に、地球に勝利することがハルケギニアの民が生き残る唯一の方法だと考えたのです。
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最後は結婚式してルイズたんとえっちして、やり逃げで地球に戻ろうとするも、ルイズたんがついてきて地球に駆け落ちするような形に。
最後はあっさり終わりました。
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後半からエピローグにかけてかなり駆け足だったものの、ヤマグチノボル先生が亡くなって未完のまま終わりかけたゼロ魔の完結を読むことができて、MF文庫J信者として感無量でした。
楽しい13年間をありがとうございました。