勇者リンの伝説 Lv.1 この夏休みの宿題が終わったら、俺も、勇者になるんだ。

著/琴平稜 イラスト/karory レーベル/富士見ファンタジア文庫

第24回ファンタジア大賞<金賞>受賞作。
絶え間ぬ努力を続け武芸に類稀な才能を見せながら人知の及ばぬ理由で勇者の道に進めなかった(この世界では勇者は資格の必要な職業です)主人公カイ・アンバーと、努力も何もしてこなかったのになんか勇者になっちゃった能天気ヒロインのリンによる、ドラクエをパロった異世界ファンタジー
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序盤から中盤にかけて、メインヒロインの勇者リンに好感を持てるか持てないかで非常に評価が変わるかなと思いました。
努力なんてまったくなく超適当に遊びほうけて生きてるのに勇者志望したら勇者になれちゃって、それでもgdgd遊びほうけて夏休みの宿題終わってないよーと、勇者になるべく武芸を磨きながら勇者になれず鬱々としていた主人公に泣きついてくる、それがメインヒロイン勇者リン!
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まぁボクほどの超すーぱーうるとらえぼりゅーしょんたーぼたいぷでぃーなラノベマイスターともなれば?物語の裏まで読み解くのは造作もないことだし?みたいな?リンの行動の裏も簡単に読めますけどね(チラッ
そう、リンはカイを元気づけるために敢えておバカなままでいようとしていたのです。
なぜならリンまで暗くなっていたらカイは同情されてると感じてより一層気分が沈んじゃうからです。
だからリンはおバカなまま笑っているしかなかった、それで少しでもカイも一緒になって笑ってくれたら、そう彼女は考えたわけです。
ええ話やなほんと(・_;)ホロリ
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この辺は作品内では直接は言及されていませんが、ラストでリンが結構世の中や人間関係について真面目に考えてたり、カイが選ばれるべきだったのに間違いで私が勇者になったんじゃないかみたいなことも言っていたので、まぁ説得力無くはないでしょう。
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物語の大筋は異世界RPGドラクエとかね)に現代の価値観持ち込んでカイとリンとニートと花屋の娘のパーティがコメディ冒険しながら、実は冒険者とか勇者とかモンスターにはこういう真実があったんだ、人間同士が争わないためにモンスターという敵が存在させられているんだ!とか分かって、よし2巻以降は世界平和のために頑張っていこーみたいなお話。
今やってるまおゆうみたいな感じですね。
あと主人公カイ・アンバーが勇者は武勇に秀でている存在ではなく、助けを求める人の救世主たる心構えをもった存在なんだと気づくお話。
あ、ジャンルはコメディです。
生徒会の一存っぽいキャラによるパロディRPGとでもいえば一番しっくりくるかもしれません。