いちばんうしろの大魔王 5

著/水城正太郎 イラスト/伊藤宗一 レーベル/HJ文庫

アニメの最終回あたりのお話。
大和望一郎編に一区切りついて、話の筋も一応何となくは理解できました。やはり文章は映像よりも伝える情報の量も質も高いよね。
話の大筋は、神と呼ばれるシステムはネットワークの複雑化によって意志を得たものの自我を得ることまでは適わず、また身体を持たぬために寿命も無い神たちは自我とその器となる身体を得ることを欲して、意志のみしか持たぬ不完全な神を滅すことのできる魔王と、神を滅ぼした魔王と単一者の契約を結ぶ(ありていに言えば魔王の子供を産む)ことで新たな神の器を生み出す自同律という存在を作り上げ、今の世界を捨て新たな世界に移行し自我を持った存在として生まれ変わる計画を抱いていて、それはつまりこの世界に生きる人類の滅亡に他ならないと。
時間旅行者大和望一郎の人類救済策――人類をデータと認識し人類の滅亡すら厭わない神という名のシステムに代わり、神というシステムを自らの支配下に置くことで人類を滅亡から救済する――では結局のところ神というシステムは残ってしまい、「神によって定められた物語」から人間が脱するために神を滅ぼす存在、すなわち魔王によってその神のシステムごと殺されてしまい、魔王が神を殺し自同律と単一者の契約をし人類が滅びるという未来を変えることはできない。つまり望一郎は無駄な努力をしていて可哀想ですねという話なんだけど、今回の魔王阿九斗はそんな神を神の用意した物語ごと滅ぼす事を目的としているから新しい人間による未来が見えるとか見えないとか多分そんな感じ。正直なところ完全には理解できてません。
で、神の一柱スハラ神は滅ぼしたけどその権能はピーターハウゼン(以下ピーちゃん)が引き継いでるから、信仰こそなくなりはするもののスハラ神による加護はピーちゃんから受けれるようです。でないとスハラ信者の服部さんとか魔法使えなくなっちゃうしね。
あと阿九斗が神に挑むことを決定付けたのがけーなが神の意志により暗殺されかけた事が引き金になってるのも、一人の女のために世界を敵に回す燃える展開で格好良かった。
でももうちょっとわかりやすく書いて欲しい。この作品が好きじゃないとついて行けないレベルで何言ってるか真剣に理解できないので。