おまもりひまり 1 浪漫ちっくメモリー

著/みかづき紅月 原作・挿絵/的良みらん レーベル/富士見ファンタジア文庫

いたいほどに下半身はそそり立ち、少女の股間へと押し付けてしまう格好となっている。
しかも、あろうことか、はっと気付けば下がなんだか涼しい。
(や、やば。出ちゃってるし……)
必死にもがいたせいで、半身がトランクスの窓から飛び出してしまったのだろう。
ここのところ、暑い日が続いていたので、優人はトランクス一枚で寝ていた。
いきり立った漲りを露にし、緋鞠の胸を掴んだまま顔を押し当てて(略)

微エロ以外に読むところはほとんどありません。むしろ的良みらんの描き下ろしを見てニヤニヤするための作品。
そんな中で数少なく内容的に見れたのが、緋鞠が主人公を守るために剣を振るうと言いながら実のところ、自分が妖(アヤカシ)を殺す事を楽しんでいるって示唆があった点。
そもそも緋鞠の一族が天河家の護り刀となったのは主人公の祖先が、妖であるから殺すのは良くない、悪い妖を討伐こそすれ害の無い妖とは共生すべきであるとして助けたことに起因してるのに、護り刀だから主人公に近づく怪しい奴は全て斬って捨てるってのは自己矛盾以外の何物でもない、とそんな描写がちょっとありました。人間と妖が理解しあい共に生きるという価値観のおかげで命を助けられ、そして今の天河と護り刀の関係があるのに、その助けられた妖の末裔である緋鞠が非常に好戦的で何かあったらすぐ戦いで解決するってのは完全に本末転倒しているわけです。ただ残念なことに軽い問題提起はあったものの、なぁなぁのまま話が進んで解決どころか話題にも上らず華麗にスルーされるんですけどね。その辺突っ込んで書いたらそれなりに読み応えのある作品になるとちょろっと思いました。


あとストーリーとはあまり関係ないんだけど「主」にルビ振って欲しい。全部あなたって意味の「ぬし」って読むんだけど、メイドが絡んでくるシーンとかに使われると「あるじ」って読みそうになるので。というか一部読んでアレ?と思って読み返す必要があったので。正直これにルビ振らない編集者は想像力が欠如してるか文章に携わるセンスが無いと思った。