オーブの戦争は全て綺麗な戦争

私の名前はカガリ・ユラ・アスハ。何を隠そう、オーブの獅子と言われたウズミ・ナラ・アスハの正当後継者であり、一介のパイロットどもとは違ってオーブの現代表を務めるとても偉い人である。先だっても、確か開戦のすぐ前だっただろうか、私はプラントの代表を務めるデュランダル議長と会談を持ち、過剰な軍事力が平和を崩壊させることを説いたものの、全く聞き入れてもらえず、私は正直不愉快な気分になった。連合と言いプラントと言い、何故私の言うことを聞き入れてくれないのか。やはりこれは歴史と言うものを尊重し頑なに血統主義を貫くオーブと異なり、民主制という名の下に平民どもが政治を行う彼らの政治形態の限界なのだろうか?オーブが持つ軍事力は綺麗な軍事力で、プラントや連合が持つ軍事力は汚い軍事力なんだから、オーブ以外はたくさんの戦力を保持してはいけないのだ。なぜ彼らはこんな簡単なことが分からないのか、本当に私は疑問で疑問で仕方がないのである。フリーダムもアークエンジェルアストレイもムラサメもアカツキストライクフリーダム・インフィニティジャスティス・エターナルも、全て「守るための剣」なんだから、これはオーブが正当に主権国家として中立を守り抜くために必要なものなのである。
でもプラントの新型は良くない。特にレジェンドとデスティニーはオーブ製MSに負けず劣らず高性能だし、そもそもプラントの持つ軍事力は悪い軍事力なんだから、新型機は作っちゃいけないのだ。オーブは永世中立国で他国を侵略しないから強大な軍事力を持ってもいいんだけど、大国のプラントと地球連合はファーストストライク(先制攻撃)の可能性があるから軍事力を削減しないとダメというわけなのだ。
だから私は今、専用新型MSアカツキ(偉い人らしく全身金色で超高性能なスーパーモビルスーツである!)を駆り戦場へと向かうのだ。これで徹底的に悪いZAFT兵を殺しまくって、善良なオーブを救うのが私に課せられた使命なのだから――