ゴールデンタイム 番外 百年後の夏もあたしたちは笑ってる

著/竹宮ゆゆこ イラスト/駒都えーじ レーベル/電撃文庫

電撃文庫1月新刊。
また外伝か・・・と思ったら主人公以外の視点で本編の裏側を描いた非常に大事なエピソードでむしろ本編ナンバリングでもいいくらいの内容でした。
なのでちゃんと5巻の後に読みましょう。
例えば5巻ラストで万里の寝言を聞いてしまった香子がメンタル完全崩壊しちゃった理由なんかが非常によく分かります。日帰り海旅行にあそこまで全身全霊かけてたとはちょっと思ってませんでした。
そんな感じで本編補完的な要素が非常に強いので、外伝ですが必読です。
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それと香子が岡千波を嫌いな理由が、千波がぶりっ子してるからだと単純に思ってたんですが、もしぶりっ子してなくて天然でこの可愛い生物なんだとしたらぶりっ子であるよりももっと嫌い(香子は美しさのために努力したり耐えたり我慢したりしてるから)というのも興味深かったです。
この作品は女性の心理描写がしっかり描かれてるから、こんな感じで説明がないとその辺疎いボクには読み解くのが結構大変なのです。
とても面白かったのでお勧め。

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 6

著/裕時悠示 イラスト/るろお レーベル/GA文庫

GA文庫1月新刊。
要約すると「肉体的&精神的に極限状態だった主人公が、最近女子力を格段に向上させた幼なじみに可愛く迫られて流されてキスしてしまったら彼女に見られちゃって別れ話を切り出されました」というお話。ついにタイトルに相応しく俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる展開になりました。
前巻ラストで偽恋人関係がヒメにバレて修羅場じゃなくてハーレムルートかと思いきや、普通に正統派修羅場でした。
ヒロイン4人がどんどん可愛くなってきて困る('ω'`) 特に千和。もはや別人。
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序盤はヒメが精神的に成長して踏み出せなかった一歩を踏み出して真涼と対決、今回はこのまま二人のお話かなと思ってたら、最後の最後でチワワがやらかしてガチ修羅場になる激しい展開でとても良かったと思います。
ただ主人公も流されてキスしちゃったのはさすがにまずかったかな、と。
あの時の主人公の心理描写は次の巻の冒頭ででもいいので熱があって雰囲気に流された、だけじゃなくて千和に対する気持ちとか積み重ねた思い出とかをちゃんと書いてほしいと思います。
面白かった。

まよチキ! 11

著/あさのハジメ イラスト/菊池政治 レーベル/MF文庫J

最終直前巻。
主人公の女性恐怖症が治りました。
無理やりスバルageをするためかスバルを好きだったから治すことができたみたいなことになってますが、ここまで読んできた限り妹の紅羽に恐怖心を抱かなくなったことが最大の要因だと思います。
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文章について。
直喩ばかりの安易な表現が手抜きしすぎなのと、同じことを何度も何度も何度も何度も書くのがとてもくどいです。「俺達の関係は変わった」って何回書いたら気が済むんでしょうか。小学生じゃないんだから10回も20回も書かれなくてもちゃんと分かってます。
あと誤用がちらほら。これに関しては初期からずっとなんですが、慣用句だけでなく形容詞や副詞の使い分けとかの文法の基本からおかしい時があるので、物書きとしてもうちょっと国語の勉強をしなおしてほしい。
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主人公がヒロインたちに告白されながらグダグダ言い訳して返事を引き延ばします。本命はスバルで両想い確実だけど、今の状態を壊したくないとか体質改善プログラムがまだ残ってるからとかetc...で正当化する姿は見下げ果てました。
もちろんヒロインたちはそんな“優しい”主人公にメロメロなので非難はしません。どころか作品全体で評価されてます。なんかこう、寒いというか納得し辛いというか、もにょり。
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最後のシーンでスバルが女の子であることをバラして執事辞める宣言するんですが、主人公がプロポーズしつつじゃあ俺が執事になってやると唐突に、突然に、藪から棒に、何の脈絡もなく、脊髄反射の如く言い出します。伏線とか積み重ねとかなく完全な思いつきでいきなり。
ほんと話が軽い。
スバルが執事に対して命をかけてた(設定だった。最後の方はウザいメンヘラ無能執事でしたが)だけに余計にそう感じました。しかも俺の人生を犠牲にしてもスバルの夢を叶えるんだとかで微妙に上から目線。なんだかなぁって。
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全体的に微妙でした。