最近読んだ本 シャナ19 ぱんどら 魔法の材料〜

3冊読んだら2冊同じ絵師だったんだけど、感想書くときに絵師の名前チェックするまで同じ絵師だとわから無かった今日この頃、正直自分の絵に対する判別力の低さがここまでとは思いもよらなかったなのですよ……('A`)。
ぱんどら」の絵は全体的に微妙な感じだったんだけど、「魔法の材料ございます〜ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚〜」は凛々しくて生き生きしてるなーとそれはもう全く正反対の印象で、何が原因だったのかちょっと考えざるを得ません。作品内容に左右されてるのもあるかもしれないけど、そこまで正反対に感じることは無いと思うんだよね。
それにしても最近のシャナは微妙だなぁ。初期の、悠二が気づいてシャナがそこを衝く痛快娯楽アクション小説の頃は結構好きだったのに、最近は方向性がそれちゃってて残念な感じです。

魔法の材料ございます〜ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚〜

著/葵東 イラスト/蔓木鋼音 レーベル/GA文庫

第1回GA文庫大賞奨励賞。
また[大賞]詐欺っぽいパッケージだけど、あくまで奨励賞です。
それでも賞に引っかかっただけあって、ストーリーもキャラもよく出来てて面白かった。
まず、キャラクターたちは色々と至らない点もあるけど一生懸命に生きてて好感が持てます。やっぱ主人公に媚びる池沼ヒロインより自分を持ってるヒロインの方が読んでて楽しいし、そもそも池沼ヒロインって女性を馬鹿にしてると思うんだよね。男性優位の思想がにじみ出てると言うか。
閑話休題
設定は主人公がトラウマのある元凄腕昼行灯だったりと結構ありきたりなんだけど、1巻かけて丁寧にその理由が描写されているので、最後までありきたりとは感じること無く読めました。やっぱ大事なのは設定そのものよりもそれを生かす筆力だよね。
割とどうでもいい伏線(増税問題)が最後にこぢんまりと解決したのも落ちに花を添えてたし、総じて文章レベルの高い満足のいく作品でした。
割とお勧め。

灼眼のシャナ19

著/高橋弥七郎 イラスト/いとうのいぢ レーベル/電撃文庫

前巻から敵側を応援してます。
だってフレイムヘイズのやつらキラ・ヤマトみたいなのばっなんだもん。俺つぇぇぇぇっぇで無双見せられても全然面白くないよね。しかももともと私怨で異能の力得たはずなのに、いつの間にか世界のためにとか言ってるし。
フレイムヘイズとして軸がブレている(`・ω・')キリッ

シャナの物語ではなかったのか

第1巻からここに至るまでずっとシャナの個人戦やっといて、物語最終盤の18・19巻まで来てメインキャラとはほとんど接点の無いキャラたちによる戦闘ではない戦争を延々描写するので、読んでてテンション下がること甚だしい(´・ω・`)。
しかも肝心の戦記部分もひたすらエース様が無双するだけ。相手は味方の数十倍の大兵力だけどエース級は雑魚100人くらいなら5分もあれば瞬殺するから戦力差とか戦術は全く意味をなしません。凄い戦力さとか書かれるんだけど、全然全く凄いと感じることができません。
そもそも前巻の、敵本拠地に秘密のワープ装置でワープ(`・ω・')キリッして壊滅させた時点で読む気完全デストラクションだったんだけど、19巻では例えピンチになっても指揮官兼任のナンバーワンエース様が広大な戦場を一瞬で移動して強大な攻撃ぶち込んで盛り返すシーンなんかを読んで、作者の適当さに涙が出そうでした。外伝といってもいい本筋とは離れた内容やっといて内容そんなのかよ、と。全くもって大軍である意味が無いし、ページの無駄。簡単に端折れるシーンを長々とやってるんだから相当面白くあるべきなのに、ひたすら無双するのを読まされるのは苦痛でした。いいから早くシャナを出せよ、と。
大規模戦闘書けないなら無理して書かずに、主人公回りの局地戦だけやってればいいのにね。別に戦記ものじゃないんだし。ああ、戦記部分はクライマックスまでの水増しなんですね分かります。

ゾフィー

広大な戦場を一瞬で移動して大打撃を加えるゾフィーが、盛り上がりを欠く最大の要因だと思います。どんだけ裏をかかれてピンチになってもこの人が一瞬で駆けつければ解決するんでしょ?
彼女が必殺技を放つ時の「――だぁらっしゃあ―――っ!」のセリフが出るたびに涼宮ハルヒの溜息。せめてデカラビアが一泡吹かせてくれたら良かったんだけどね。
あとセリフが受け付けない。これはまぁ感じ方の個人差も多いだろうけど、いい年下おばさんが、
タケミカヅチ氏」
「反対は、致しませんぞ、ゾフィー・サバリッシュ君」
これは無いでしょ。
こみパのオタク縦横の会話じゃないんだから、呼び方の特殊性で落ち着きのある高齢キャラのキャラ立てをしないで欲しい。もっと見せ方あるでしょ、と。

「この私の抱く気持ち、愛こそが、最強の自在法」

19巻一番の見せ場でシャナの言ったセリフ。
ぶっちゃけ言うと思った(苦笑
ずっとしらける戦闘ばかり前菜として見せられて、やっと出てきたメインディッシュがひねりも何も無いこのセリフだからほんと救いようがない('A`)。

“懐刃”サブラク

最強の敵の一人サブラク
対応力が抜群で耐久力も高くどうやってこれ倒すの?勝てんだろとか思ってたら、冒頭からとってつけたようなサブラクの回想があって、最後は戦うこと放棄して死ぬとか適当にもほどがあるだろう……。倒す方法思いつかなくて無理やり殺したとしか思えませんでした。散々このキャラ引っ張っといてこれはあんまりだよ……

都合の良い展開

全ての偶然が味方側にだけ都合よく作用するから演出面でも盛り上がり皆無。
ちょい役含めて最終決戦に臨んだ味方のネームキャラは一人も死んで無いのに、敵のそれは次々死んでるし、いくら味方が劣勢だとか言われても、どうせまた上手く運ぶんでしょとしか思えない、それはもう見所の無さ。シュラク隊全滅させてオデロまで殺したVガンあたりを一度見てほしい。
もしこのまま最後までネームキャラ殺せないなら、本当に戦記ものにすべきじゃなかった。

灼眼のシャナ〈19〉 (電撃文庫)

灼眼のシャナ〈19〉 (電撃文庫)

ぱんどら

著/西野かつみ イラスト/蔓木鋼音 レーベル/MF文庫J

真面目に感想書くのも面倒くさいくらいに面白くない個性が無い内容がない。
ジャンルは、主人公が悟りを開いた偉人のように自分の命を顧みず、文字通りヒロインのために命をかける系。最近流行ってるそうですね。例外もありますが基本的に何が彼にそこまでさせるのか理解できないことが多いので嫌いです。
あとヒロインが主人公にだけ媚びすぎ。これもよくあるキャラ設定。
高校生にもなった女子が、知り合って間もない主人公に対して「だけ」、指なめたりする、その主人公と同じ年とは思えないはるかに幼い思考回路してるし、一番嫌いなヒロインタイプ。
セリフ&地の文でぷんすか!とかあるのも受け付けません。
貸してくれたCLOWNさんに面白くないよー(>_<)って言ったら返ってきた答えが「ぱんどらって何?」。
記憶にすら残らない作品なんですね分かります……
ちょっと説明すると「あーあれか、おもんなかったやろ」
そんな感じ。