君死にたもう流星群

著/松山剛 イラスト/珈琲貴族 レーベル/MF文庫J

発売前から大反響 「宇宙」と「夢」がテーマの感動巨編スタート!
二〇二二年十二月十一日。それは僕が決して忘れられぬ日。
その日、軌道上の全ての人工衛星が落下し、大気圏で光の粒となり消えていった。『世界一美しいテロ』と呼ばれたこの現象にはたった一人、犠牲者がいて……! 引きこもりの少女・天野河星乃を救うため、高校生の平野大地は運命に抗う。

MF文庫J5月新刊。
タイムリープもの。
1周目の世界で「世界一美しいテロ」によって愛する女の子・天野河星乃を失い自暴自棄になった末に無職童貞に落ちぶれた、コスパ至上主義の主人公・平野大地。
亡き天野河の残した記憶を過去に飛ばす装置で、過去の自分に今の記憶を上書きし、2周目の世界で天野河を救うために歴史を修正して行きます。
その2度目の高校生活の中で、コスパだけでなく夢や熱くなることの重要性を実体験を通して理解し、男として成長するお話です……というほどは成長しないんですが。
時間遡行により記憶の不備があったものの、過去に戻った主人公が割と流されるばかりで積極性と解決能力に乏しかったというか、2周目の割にやや経験値が低すぎるような……
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過去に戻る前、1周目で過去に戻る決意をするに至る過程が、150ページ近くかけてかなり長く描かれています。
つまり2周目パートはその分短くなっていて、よって1巻では物語は大きく動きません。
事故で足が不自由になるはずだった親友を救ったり、傷害事件を防いだり、しんどい時に助けてもらったことで無償の友情に気づいたりしながら、すったもんだの末に天野河と仲良くなります。
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最初だからかもしれませんが、「感動巨編」とまでは感じなかったというか、割と普通のタイムスリップものかな?
JAXAとかISSとか出てくる設定の割に、展開は普通すぎるというか。
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セカンドヒロインの、99%失敗するとしても挑戦しなければ私には100%失敗の人生だ、ってセリフは素敵だなと思いました。真似はなかなか難しそうですが。