魔弾の王と戦姫<ヴァナディース> 17

著/川口士 イラスト/片桐雛太 レーベル/MF文庫J

MF文庫J7月新刊。
最終巻の予定が1巻伸びました。次の18巻が最終巻になります。
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ガヌロンとの因縁に決着。ついでにエレンとフィグネリアの因縁も決着。
後者はほぼ本編に無関係なので置いておいて、前者は最初期からの敵なのでついに決着です。
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ガヌロンの一番の願いはシャルルを生き返らせること、だったと思います。直接は書かれてないけど、色んな示唆を総合的に勘案すると。
シャルルにだけ心を開き、互いに友情を誓い、ティグルが英雄であることを否定するガヌロン。そんな彼がティル=ナ=ファの力で人も生き返らせることができるとティグルに説いたシーンがあって、しかも最期はシャルルのことを考えて逝きます。
世界がどうなっても、シャルルの建国したブリューヌがどうなっても、全て破壊してでももう一度シャルルと会いたかった、そんなお話でした。
こうしてガヌロンの話はちょっと切ない感じで幕を閉じました。
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P289の聞き取れなかった古いブリューヌ語はきっと「英雄」。
ガヌロンにとって「英雄」はシャルルだけであり、世界が混沌に染まればティル=ナ=ファの力で生き返ったシャルルが英雄としてまた活躍し、それを自分が補佐するすると。
だからティグルが「英雄」と持ち上げられることがガヌロンには我慢ならなかった。黒弓の担い手って理由もあるけど、半分私怨も入っていたのかな、と。
ガヌロンがらみのストーリーをもう少し前に入れて作り込んでくれてたら、ここまでずっと動機が不明だったガヌロンの話に深み感じられてよかったかな、と思ったり思わなかったり。
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リムアリーシャが戦姫☆仮免許。
ガヌロンとの決着の場面。
魔物の力を全開放してティグルを追い詰めるガヌロンを前に、バルグレンが一時的にリムに力を貸してくれてリムが仮戦姫になり、ティッタに降臨した女神パワーと合わせて7つ竜具が揃ったパワーをティグルの黒弓に送り、ガヌロンを撃破したのでした。
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エレンとフィグネリアの確執が決着した話は……これ多分なくても物語的には関係なかったよね。構成の中で浮いてる感じがしました。
フィグネリアって最終盤まで出てこなかったキャラで、いきなり出てきて大事な(?)ロール与えられててすごく違和感ありました。しかも大事な役割はエレンに対してだけであって、特に物語の大筋には関係なかったので余計に感じました。
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ヴァレンティナがガヌロン戦を終えたばかりのソフィーを暗殺(生死は不明)。
ガヌロン戦で6つの竜具は力を失い、唯一ヴァレンティナの大鎌エザンディスだけが力を使える状態。
名実ともにジスタートで最強の存在となったヴァレンティナを、最終巻でどうやって倒すのか。
それともガヌロンとは別に魔物との戦いがもう一回あるのか。
最終巻の展開と、ティグルが世界皇帝になれるのかどうか、楽しみです。