くずクマさんとハチミツJK

著/烏川さいか イラスト/シロガネヒナ レーベル/MF文庫J

第12回MF文庫Jライトノベル新人賞<優秀賞>。
熊の妖怪と人間の間に生まれた人熊ハーフの主人公と、ハチミツの汗をかく特異体質を持ったヒロインのラブコメ
ハチミツ汗は人に好意を抱かせる催眠効果があるため、仕方なくハチミツ汗をぺろぺろしてあげるのです。人助けですからね、仕方ありません。
自分の欲望と他人の利益がマッチするって素敵。
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そんなぶっとんだ設定ですが、話は非常に普通のラブコメ。ヒロインも特異体質以外は割とテンプレ。
やや懐かしのツンデレ系です。
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「くずクマ」とありますが、どちらかというとヒロインの方がクズいようなふいんきなぜか変換できない)。
例えば、心からごめんなさいをしたはずなのに、1ページもたたないまさに直後に同じ非道を主人公に行うシーンがあって、ちょっともにょり。
クマ撃退スプレーを顔に噴射したりと主人公の嫌がることも平気で――むしろ笑いながらします。主人公は耐えます。だってハチミツの汗を舐めれるんだから……とか思ってたらヒロインに好意を持っていました。ドMなのかもしれませんね。
まぁ学園トップクラスの超絶美少女ですから。その子をぺろぺろできるんなら少々のアレも耐えれるよね?
ボクも可愛い女の子は可愛いというだけで好きになれる自信があります。
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内弁慶で身内と心を許した主人公に対してだけ粗暴になるところがあり、つまりちょっとイラつく系ヒロインなので、好き嫌いが大きく分かれそうです。
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半クマ化してしまって両手でクマ耳を抑えて隠していたはずなのに、ヒロインの手を引っ張って人ごみから連れ出すシーンがちょっとひっかかりました。
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クマ化が解けなくなってしまい(もちろんヒロインの無体のせい)、害獣として追われて山に逃げたのに、しっかりと相手を確認せずに自分から見つかりに行ったりと不自然に行動が軽くなるところがあって、やや展開に気になるところがなくもなかった。
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どうでもいいキャラだと思っていたクマ討伐体隊長の佐東くんが、なぜかクマ化解除の方法を知っていたうえに、その理由が明かされませんでした。
わざわざ引っ張るってことは佐東くんって割と重要なキャラなのね。