引きこもり英雄と神獣剣姫の隷属契約 -ふたりぼっちの叛逆譚-

著/永野水貴 イラスト/鈴城敦 レーベル/MF文庫J

MF文庫J4月新刊。
人間に攻め込まれ滅亡の危機に瀕した獣人族。その姫と「変幻流転」という特殊な武器制作能力をもった人間の異能鍛冶屋による《ふたりぼっちの叛逆譚》。
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なんでわざわざ最後に《 》を付けたかというと、別にふたりぼっちっでもなんでもなかったから。一枚岩でこそ無かったものの、姫の号令によって獣人族はある程度プライドや誇りに妥協して、みんなで戦おうとしていました。
ただ内通者に毒を盛られて二人以外は動けなくなっただけで、二人だけではあったけど《ふたりぼっち》って感じではなかったかな、と。
あくまでボクの感性の話ですけど。
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「変幻流転」は生物(せいぶつ)と無機物を合成させて、生物の特性を受け継いだ特殊武器を作り出す能力。
つまりその過程で命を奪います。
おいおい、この製造過程ってば強すぎるやん?
だって触りさえすればこれで強敵とかいくらでも倒せるやん? ああでも合成できる条件――例えば相手の合意がいるとか――や、無機物との相性とかあるのかも、多分。無条件だと錬成そのものが凶悪な武器になっちゃうしね。
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それに、色んな専用武器を獣人族に渡してたし、まぁ常識的に考えて主人公が作った特異な武器が大活躍して勝つんだろうと。思わせぶりに出てきた聖遺物の伝説の牙みたいなのが、きっとヒロインのための専用武器に錬成されるんでしょ?などなど。
物語に拳銃が登場したのなら、それは発射されなければならない。物語作りの基本ですね。
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そう思ってた時期がボクにもありました。
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1巻のボスは、武器に「変幻流転」して倒しました。
……ええぇぇぇぇ(・∀・)
いやほんと、えぇぇぇぇ……
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イラストがとても素敵でした。ラノベは初ながら、雑誌からソシャゲまでこなす百戦錬磨のプロのイラストレーターさんだそうです。