魔力ゼロの俺には、魔法剣姫最強の学園を支配できない……と思った? 3

著/苅野ミカタ イラスト/あゆま紗由 レーベル/MF文庫J

MF文庫J4月新刊。
魔力こそゼロだけど、知能・体力・戦闘技術etc...魔力以外はほぼ全てが最高スペックの主人公ユーベルが、魔法学園で神のごとき頭脳で人心掌握して派閥拡大していく俺つぇぇぇ系ラノベの第3巻。
でも一番の強さはご都合主義の主人個補正だと思います。暴力で屈服させられるだろう場面でも、相手がわざわざ主人公の口車に乗ってくれる系の。まぁ神のごとき人心掌握術でそういう風に誘導しているんですけど。
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2巻ラストの引きでアンリエットに刺されたユーベル。でも、ちゃんと身体をひねって致命傷は外してあるから大したことはない(キリッ)
アンリエットが姉であるはずのルイーズだったりしたけど、その辺の話は適当に済ませて、世界最強たる《姫王》リン・スメラギが登場。彼女はユーベルを拉致監禁して最強の遺伝子のかけ合わせによる最強の子作りをしようとします。
ユーベルは得意の口先八丁で時間を稼ぎ妹リリアたちの力を借りて逃げようとするものの、”魔王”ソルブラッドがリン・スメラギの身体を借りて降臨。さらに他の十三血姫もあらわれ、しかもその全てに魔王が降臨していたのだった! もう魔王は肉体を超越した存在になっていたのだ! そして主人公が超強いのは、隠された理由があるっぽい!
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主人公に対して敵が簡単に実力行使に及ばない理由が弱いかな、とずっと感じてます。暴力至上主義の世界なのに、あまりにも簡単に人生かけているはずの敵やヒロインたちが口車で丸め込まれすぎかな、と。
先読みや人心掌握術が凄すぎる主人公マジすげー!系のラノベにこういうこと言う自体がナンセンスなんでしょうけれど、理屈をいとも簡単にねじ伏せるのが暴力の暴力たるゆえんというか。ちょっと気になります。
いやまぁ暴力振るったとしても、体術だけの主人公に負けるんだけどさ。主人公のこの異様な強さには理由があるみたいです。今までの体術で無理を通して勝つ過程にイマイチ納得できなかったので、ネタばらしに期待です。
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同作者の「インディフィニット・リンケージ」は同じように俺つぇぇ系だったものの、人間やめてでもライバルと競い合う高みを目指した主人公にも、それに伴う主人公の傲慢なほどの強さにも好感もてました。
主人公の強さを納得させてほしい。