14歳とイラストレーター

著/むらさきゆきや イラスト:企画/溝口ケージ レーベル/MF文庫J

ラノベの挿絵は1冊30万円。税金も家賃もPC代もここから支払うんだ」

主人公はイラスト担当したラノベがアニメ化されたこともある人気の若手イラストレーター。
夏コミの打ち上げで酔いつぶれた時に介抱してもらった14歳のコスプレイヤーと仲良くなって、家事をしてもらったり、イラストのモデルになってもらったり、お風呂で洗体してもらったりします。
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ただ1巻では14歳のコスプレイヤーちゃんの内面にはほとんど踏み込まず、イラストレーターが実際どんな仕事で、どんな報酬で、どんな日常生活をしてて、商業で名を馳せながらなぜコミケに参加するのかといったことが面白おかしく描かれます。
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例えばMF文庫Jだとラノベ1冊の挿絵につき30万で買い切り、一定以上売れると追加で印税が入るそうです。
コミケでは担当編集がお手伝いしてくれたり、夢のアニメ化したものの特典の数が半端なくて絵柄の構図が尽きて困ったり。
あとは原作の上がり待ちだったり純粋にお仕事の依頼を待ってたりと『待ち』の仕事なことが多いために、どうしてもスケジュールに隙間ができるので、合間にやれる同人での小遣い稼ぎは結構必要不可欠だったりするとか、そんな業界話っぽいことが、14歳との生活の中で描かれていきます。
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最後は超絶美人イラストレーターのナストキュウリ先生と知り合って、女性作家ストーカー黒鯱氏を撃退して胸キュンさせちゃいます。
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面白かった。
イラストはみんな大好き溝口ケージ先生。
作品には企画段階から関わっています。