ひとりで生きるもん! 〜粋がるぼっちと高嶺の花〜

著/暁雪 イラスト/へるるん レーベル/MF文庫J

性格のいい美少女なんてものは、地球上のどこにも存在しない。
これは小中の九年間で導き出した、この世の真理である。
異論はあると思うが、聞きたくない。
だって考えてもみろ。仮に外見も中身もパーフェクトな美少女がいたとしても。
そんな最高の女が、俺なんかを相手にしてくれるわけがないだろう?
俺みたいな底辺男子には、どのみち高嶺の花なのだ。
だったら、美少女はもれなく性悪だと思っていた方が精神衛生上よろしい。
故に、異論は聞きたくない。

MF文庫J第10回新人賞《佳作》受賞作。
この美少女=性悪説は説得力あるね、うん。
今まで見た同説の中で一番かもしれません。
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そんなぼっち主人公が文通を通してクラスの高嶺の花だった美少女・湊千紗と知り合い、好きになってすれ違って、晴れて両思いになるも、夢を追う彼女を応援して離れ離れになるまでのお話。
1巻完結の読み切りが如く非常に綺麗に終わってますが、2巻が発売済み。面白かったのですぐ2巻も読みます。
超お勧め。
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MF文庫Jでは非常に珍しい、湊千紗の完全なオンリーワンヒロイン。表紙、カラーピンナップ、挿絵のほぼ全てが千紗で占められており、たまに千沙の妹が一緒に出てくるくらい。他の女の子はイラストにならないどころかほぼ登場しません。ハーレムラブコメが主戦場のMF文庫Jではスーパーレアな千紗にひたすら一途なラブコメなので、あっちにふらふらこっちにふらふらのMF標準スタイルを敬遠している人にもお勧め。ボッチ主人公の交友関係の狭さが原因とも言う。無駄に設定どおりで目頭が熱くなりますね。ボッチと言いながら何人も女の子はべらせたりはしないんです!
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漫才をテーマにしていて、テンポよく笑い満載のストーリーが展開されます。
後半からラブコメ要素が強くなりだして、文化祭で漫才を成功させたのち、夢のために渡仏した千紗と日本に残る主人公は離れ離れに。
とてもいいお話でした。
文化祭の漫才も面白かったし、作者買いリストに入れました。
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イラストは可愛いイラストで人気のへるるん先生。
美術力5、ゴミめ……なボクは、実はあなぽん先生とイマイチ区別がついていないのはここだけの話。どっちも可愛いからいいやん、的な?