やがて魔剱のアリスベル 5 必殺の時刻(リーサル・アワー)

著/赤松中学 イラスト/閏月戈 レーベル/電撃文庫

電撃文庫1月新刊、緋弾のアリア外伝その1の第5巻。
12月25日に緋弾のアリア本編最新19巻が出て、半月後の1月10日にアリスベルの5巻が発売。さらにこの半月後の1月25日には、緋弾のアリア外伝その2「緋弾のアリアAA」1巻が発売。1か月に3冊刊行と、作者のやる気がみなぎってる年末年始。
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2010年の2週目の世界での激闘から暦鏡で時間跳躍して逃げ出した先は、3週目の過去となる2009年末のドイツ。ついに緋弾のアリア本編の主時間軸(2009年度)へとやってきました。
師団と眷属が争う極東戦役の最前線ドイツで、2013年に戻るために遠山キンジを倒す傭兵稼業を行うお話。つまり本編16巻のストーリーの、静刃&アリスベル視点です。
静刃がノーマル状態のキンジを偽物だと判断するや否や、殺すことを極力避けていた理由。端的に言うと、時間の流れを無視する不連続体である自分たちが、時間から異物とみなされ排斥されないように極力影響を避ける必要があったから。
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その後の展開ももちろん本編16巻と同じで、アリスベルがキンジに語ったセリフの心情などが分かって、ダブル主人公の交錯って感じで良かったです。
最後は未来に戻してくれるはずだったクエスにたばかられて、正史には戻れず3週目からちょっと未来の4週目に飛ばされることになり次巻に続く。
アリア読んでアリスベル読んで話がリンクし始めてなんかもう面白くて困る。
アリアを読み続けて良かったとアリスベルを読んでしみじみ思います。
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静刃が高校生相応にエロくてラブコメにも興味津々なのもまたいい感じ。キンジはキンジでもうアリア一本になっちゃって昔の恋愛忌避の面影はありませんけれども。
アリスベルが恋心を奪われるからいくらラブコメさせても仲が進展しないってのはやらしいね。静刃があまり自分に自信が無いヘタレ草食系なのもあって、にやにやラブコメ連発しても無かったことに出来る魔法の設定。
ブコメも上手です。
というかヘタレ主人公が自信なくてふんぎりつかないけど、美少女とのいい感じの流れに乗ってそのままいい雰囲気を味わっていたいみたいな小市民的描写が実に上手だったと思います。にやにやできてとても良かった。