デート・ア・ライブ アンコール2

著/橘公司 イラスト/つなこ レーベル/富士見ファンタジア文庫

『精霊キングゲーム』など、主にドラゴンマガジンで連載していた短編を集めた短編集。
その他、ニュータイプ寄稿の作品と書き下ろし短編『エレン・メイザースの最強な一日。』。
もちろんドラマガを年間定期購読しているボクほどになればほとんどが既読なのでありますが、結構覚えて無かったりするので常に全力でラノベと向き合う心構えを再度この身に刻むために、もう一度しっかりと読みなおしました。
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一番面白かったのは書き下ろしの『エレン・メイザースの最強な一日。』
エレンさんは世界最強のウィザードです。
だから泳ぐ時も素手という油断慢心驕れる平家な事態はありえないことであり、ビート板という最強に相応しい盾を持つのは最早必然。
下を向くなど凡夫の所業、最強のエレンさんにはもっての外だから水に顔を付けることもありえません。
ただ速さを競う凡夫とは違い、最強たるもの25メートルを泳ぐのにも優雅にじっくりと時間をかけます。
さすが最強たるエレン・メイザース、常勝の気概はまさに王者の風格。
凡夫とはそのメンタリティからして違うのです。
ガンダムウイングのトレーズ様も仰っておられました。「事は全てエレガントに運べ」と。
「人の尊厳」を何よりの至上命題としていたトレーズ様の名言ですね。
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最近は本編がかなり殺伐としてきていたので、初期の頃の緩さを感じられて良かったです。
ヒロイン視点に加え、そういった物語後半にはなかなか作れない緩さを描けるのが短編の魅力の一つだと思います。
面白かった。