学戦都市アスタリスク 6 懐国凱戦

著/三屋咲ゆう イラスト/okiura レーベル/MF文庫J

MF文庫J6月新刊。
主人公が強い系の能力バトルもの。
積読の4、5巻を崩して読みました。
表紙は現役最強<孤毒の魔女>オーフェリア。第三章《王竜星武祭(リンドブルス)》編の決勝戦で戦うであろう最強の敵が顔見せです。メインヒロインにしてもう一人の主人公でもあるユリスの幼馴染で、人工的に作られた魔女なのです。
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鳳凰星武祭(フェニクス)》で優勝した数か月後、各ヒロインをヒロインを掘り下げつつ、世界を牛耳る統合企業体の暗部を見せ、次のチーム戦《獅鷲星武祭(グリプス)》に向けて主要キャラがチームを組む流れなお話。
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主人公が戦う動機の一つだった失踪した姉がついに見つかりました。
一連の黒幕が世界の支配者である統合企業体なので、最終的に世界に喧嘩を売ることになるのでしょう。
各ヒロインも同じような流れにあるので、きっとそれが物語の終着点。
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ユリスの故郷リーゼルタニアに凱旋。
今まで詳しくは描写されなかった傀儡国家の悲哀が描かれます。
莫大な優勝賞金で孤児院を救ったユリスは、次は国家の独立と世界の改編を志します。
主人公と目的は近いけど、こっちはスケールが大きめ。
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途中、紗夜の引っ越し先であるドイツに寄って、研究途中に事故に遭って身体の大部分を失った父親が登場。暗い話になりそうだなと思っていたんですが、ダークな要素は皆無で明るいお話になっていたので一安心。紗夜は父親の凄さを証明するために父の作った武器で勝つことに拘っていましたが、ベスト4に入ったことでその目的は達成されました。
世界革命にも全く興味なさげですが、姉を失って苦しむ主人公の傍にいられなかったことを何より悔やんでいるので、今度は幼馴染として世界に喧嘩を売る主人公の側に居続けることを選択することでしょう。
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綺凛ちゃんの実家話はページの都合でカットされたそうです。
綺凛ちゃんは世界に名だたる剣術の名門宗家の生まれなので、話を膨らませやすいしこれで1巻まるまる使ってお話をやってくれそうです。
急がばまわれ、勝ち組と言うやつなのです。
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クローディアの父親が登場。
優秀で娘想いだけど小者で、クローディアの意思を止めることはできませんでした。
1巻からずっと何やら怪しげなクローディアの目的は次の巻で明かされることになりました。
鳳凰星武祭》がユリス編だとしたら、《獅鷲星武祭》編はクローディア編でしょうね。
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そんな感じで新キャラお披露目、メインヒロインの掘り下げ、物語を動かすための下地作りなど一杯に詰まった幕間巻でした。
7巻から《獅鷲星武祭》が本格スタートです。
面白かった。