フレースヴェルグ・イクシード 1 月誓の気高き剣

著/七烏未奏 イラスト/むつみまさと レーベル/MF文庫J

MF文庫J1月新刊。
なんとなく作者の名前に見覚えがあると思ったら「アテナ」(みのり文庫)の人でした。
こういう予期せぬ繋がりがあるとちょっと嬉しくなります。
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学園異能バトルもの。
読点が多くややテンポが悪いのと、地の文の語尾がほとんど「〜〜だった。」と過去形なのがなんとも微妙な読感でした。
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世界改変をたくらむ組織とそれを防ごうとする組織の戦いなんだけど、ちょっと魔術を行使されただけでちゃちゃっと改変されちゃう世界が余りにもろすぎてさすがにちょっとそれはどうなのかな、と。
女しかなれない魔法使い(的な存在)に男の主人公がなってしまって、しかもそれは伝説の王の力だったりして、女の子たちと心を通わせてキスすることでパワーアップしたりとかそんな設定があって、そのために一緒に過ごしてハーレムしちゃうというまぁ何て言うかそのMF文庫Jによくある展開でした。
さすがにそろそろ食傷気味な気がしなくもないです。
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良かった点。
表紙にもなってるメインヒロインが可愛かったこと。
どうせただのツンデレヒロインで前から主人公の事を好きだったけど言い出せなくて照れ隠しでツンツンしてるだけなんだろと思ってたら、自分はめっちゃ努力して頑張って優等生の地位にいるのに、それに対して要領よく自分よりも好成績とってお気楽に生きてる主人公が妬ましくて疎ましくてガチでムカついていたのでした。
要領の悪い女の子が一生懸命勉強したり部活に励んだりと前に進もうと努力する姿が格好良くて好みでした。
そしてそんな女の子を地道に攻略していくのがとても良かったです。
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ヒロインが最初は好意どころかマイナスに恋愛メーター振り切っているため、主人公がよくある鈍感主人公になっていないのもいい感じ。
表紙のメインヒロインに何度か話しかけてみたものの完全な逆恨みで無視されたりしてきたわけで、まさか劇中1週間でそれが好意にまで変わってるとか思わないだろうしね。
それなりに機転がきいてさっと助け舟出したりできるタイプだし、なかなかいい主人公じゃないんでしょうか。