学戦都市アスタリスク 01.姫焔邂逅

著/三屋咲ゆう イラスト/okiura レーベル/MF文庫J

水上学園都市“六花”。通称アスタリスクと呼ばれるこの都市は、世界最大の総合バトルエンターテイメント《星武祭》の舞台として名を馳せている。六つの学園に所属する《星脈世代》の少年少女が、煌式武装を手に己が願いをかけて覇を競う――天霧綾斗もそんな学生の一人。星導館学園の生徒会長クローディアの誘いを受けて六花を訪れた綾斗は、転校早々《華焔の魔女》ユリスの怒りを買い、決闘をすることになってしまう。「大人しくしていればウェルダンくらいの焼き加減で勘弁してやるぞ?」「……それは中までしっかり火を通す気満々ってことだよね?」ところが決闘の最中、ユリスを狙う凶弾が放たれ――? 最高峰の学園バトルエンタメ、ここに開演!

本当の力を封印された主人公が、力を封印した後失踪した「魔女(ストレガ)」の姉の行方を追って学園都市「六花(アスタリクス)」にやってきて、そこでランカーとなって戦う異能バトルもの。
主人公の封印された力とそれを開放する呪文とか、「純星煌式武装(オーガルクス)」「星脈世代(ジェネステラ)」みたいな中二設定好きな人にはお勧め。
中二病中二病でもちゃんと世界観や学生バトルになるためのバックグラウンドが作り込まれたほんとよくできた中二病バトルものなので、ひっかかりなく読めました。
というかそんな失礼な言い方は本意ではなくてですね、とてもおもしろかったのでお勧めです。
例えば楽しそうに1万人殺したけど実は殺したくなかったんだとか、ちょっと不幸な普通の高校生だけど戦闘のプロをボコってみた、みたいなそれってどうよ・・・的なものはありません。
逆に、主人公の寮のルームメイトがおちゃらけた情報通で物語進行を滞らせないための舞台装置だったりするのは非常によくある設定ですが、実は彼は生徒会長と裏でツーカーで意図的に主人公に情報渡しては都合よく動くように仕向けてたりってのが最後に明らかになったりします。
冒頭ヒロインの着替えを覗いてしまうテンプレラッキースケベシーンへも含め、ほぼ全てのシーンや登場人物の言動にちゃんと理由づけがあったので、すごく安心感がありました。このシーンのこのキャラの意図はなんだろ?とか考えながら読めるほんと飽きない作品です。
主人公も人畜無害な人の良さそうな顔しながらカマかけたり騙された振りしたりと結構な腹芸やったりします。
文章も上手、ヒロインも可愛い。

イラストレーターはISインフィニット・ストラトスでおなじみokiuraさん。期待通りで予定調和のイラストです。
おすすめ。