緋弾のアリア 12 狼狗に降る雪(フォル・オブリージュ)

著/赤松中学 イラスト/こぶいち レーベル/MF文庫J

キンジが武偵高を退学し一般校に転校するお話で、バトルは少な目。1巻からずっとうだうだと言ってたキンジの武偵辞めたい武偵辞めたい病にケリが付きました。
転校して一般人になろうとしたもののどうしても馴染めず浮いていたキンジが、武偵中時代のクラスメイトが絡んだ事件に巻き込まれる中で、狼が狗に紛れても狗の世界に迷惑をかけてしまう事に気付き、自分の意志で武偵へと戻ろうと決心します。
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新キャラは2人(とラストの引きでさらに1人)で、初期から軽く触れられていた設定の中学時代にキンジのヒステリアモードをいいように使っていた色気のある美少女・鏡高菊代と、転校先の普通のクラスメイト・望月萌。
望月萌は完全に新ヒロインかもしれないものの、小学校のアルバム見せようとしてたしやたらと最初から好意的なので小学校の同級生っぽい(しかも運命の再会と思ってるっぽい)雰囲気。自宅も近所だしね。
そしてどちらも無事にキンちゃん様ハーレム入り。深く考えたら負けかなと思ってる。
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最近キンジのサムイ言動にも慣れてきたというかキモくても流せるようになってきました。イケメン無罪。人間の適応能力って素晴らしいと思います。ボクが言ったらおまわりさんこっちです。
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サブタイトルの「狼」は暴力的な裏の世界、「狗」は平穏な表の世界の比喩で、狼は狗にはなれないし狼になろうとした狗には悲惨な末路が待ってるという劇中の例え話から。
第2外国語はドイツ語履修でフランス語はさっぱりなんでちょっとアレですが、「フォル」が「愚かな」で「オブリージュ」が「義務」だと思うので、狗になろうとした愚かな狼が、狼であることで周囲に迷惑をかけてしまい、結局狼は狼でしかありえず狼である以上狼の義務を果たさないといけないと気づくという、今回のメインテーマになっています。
「降る雪」は単純に作中の季節が冬だから。それ考えたら「降る」→「fall」で「フォル」と掛詞になってる気もしなくもない。
アリアのサブタイトルに関してはそろそろマジアカで読みとの線結びとか作られそうな雰囲気。それくらい難読。一応どのサブタイトルもその巻のメインのシーンに合わせるように作ってあるし、線結びくらいなら単語の一部から推測できなくはないんですけど。
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面白かったけどちょっとインフレが激しいかな?
キンジはついに銃弾の方向を変えるとかじゃなくて空中で完全に掴んで止めちゃうし、最後は孫悟空が出てきて今のところ最強クラスでさらに進化し続けてたジーサードを如意棒で瞬殺しちゃうし。
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こぶいち先生のイラストは今回も素晴らしかったです。
レキの裸ワイシャツとかレキのお風呂とかも良かったけど、P107の望月萌ちゃんが自然なエロさで一番好きでした!(>_<)ミ☆