彼女は戦争妖精(ウォーライク) 小詩編 3

著/嬉野秋彦 イラスト/フルーツパンチ レーベル/ファミ通文庫

シリーズ通算10巻目、実質本編な3編からなる短編集。
1つ目がウォーライクが倒されるとロードの記憶が改変される設定を利用して後付で作られた、本編より七年前の幼い主人公宮本伊織と彼がロードとなった初めてのウォーライクのお話。
ついでに薬子の家庭の事情やエルクドゥーンとの馴れ初めが描かれていて、本編読む上で欠かせないストーリーになっています。
本編途中で「重要ではあるけどあくまでサブキャラ」の過去話をやるとテンポが悪くなるので、短編集で掘り下げて書いてくれるのは読みやすくて良い感じ。
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2つ目は、これまた重要だけど本編ではいきなり出てきた謎キャラに死んだとさらっと流されていた行方不明だった伊織の父親のお話。死んだ時の状況が明らかになるとともに、同情しようのない破たんした人間性も明らかになりました。今まで伊織が父親を全否定していた事に少し疑問を感じることも有ったりしたんですが、この話でそういった疑問を持つこともなくなりました。ほんと酷い父親でした。
ついでにその話と関係してミンストレルの1人、ラ・ベルの誕生についても明かされます。これは比較的どうでもよさげです。設定があったからとりあえず書いてみたくらいな雰囲気。
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3つ目は常葉の祖母と伊織のお話。
ロードを殺したことで思い悩む伊織の心の重しを取ってくれた茶目っ気おばぁちゃんが実は常葉の祖母だったのでした。これで常葉の家族との付き合いも始まったわけで、常葉が死んだり記憶を失うような展開はほぼ100%無くなったと言っても過言ではないでしょう。
そして牧島さつきは完全脱落。かろうじて名前だけ出てくるだけでした。
実はボクもずっとさつき派でしたが、巻が進むにつれて常葉先輩がどんどん女の子らしくなってきて今ではすっかり常葉先輩派です。ごめんねさつき(>_<)