お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 1

著/鈴木大輔 イラスト/閏月戈 レーベル/MF文庫J

CLOWNさんに借りました。略して「おにあい」らしいです。
起承転結の転に入ったところで終わってます。後書きによると1巻発売時に2巻原稿が完成していたという事なので上下巻の上巻の位置づけっぽい。
以下ネタバレがあります。致命的なネタバレなので微塵でも読む気のある人はスルーしてくださいね(・∀・)
とりあえずタイトルが凄い。表紙も妹で一見お兄ちゃん大好きな妹視点のタイトルなんだけど、読み進めていくと実は兄視点のタイトルなんじゃね?とダブルミーニングっぽい意図が見え隠れする絶妙なひねり具合。だってほら別にこのタイトル、「私のお兄ちゃん」とか「好きな人はお兄ちゃんだけど」とかなってないでしょ? 俺はお前のお兄ちゃんだけど愛があるから妹だとか関係ないよねって感じで。これだけ長いタイトルなのにわざと主語がボカしてあって、内容面からもお兄ちゃん(主人公ね)が妹に対して家族以上の好意を持っていることが直接的にも間接的にも何度も描写されていることから上記の様な意図があるのではないかと推測されます。着物の襟元から覗く首筋を見てエロイ気持ちになったり、天然が意図せず言ってる振りして実は妹が好きで好きで堪らない本心を伝えてたりしてるし。
そしてここで超絶ネタバレなんですが、双子の妹は実は本当の妹ではありません。これは主人公だけが知ってる秘中の秘という設定で妹も知らない事実です。ここで気になったのが、主人公が妹に対して異性としての愛情を持っているにも関わらず、妹の露骨な好き好き光線に対して上記の様に実妹で無いと知っていながら好意を拒否している理由が何なのかという事。
離れている間に美しく育った義妹を好きになってしまった自分自身に対する戒め、妹が唯一の親族である自分に対して親を重ねることで親への愛情を勘違いしてしまっていると思っている、妹と好き合うという世間体の悪さやインモラル、義妹が可愛すぎて受け入れたら最後止まらないであろうという確信などなど、どれが正解ってのは無くて色んな感情がごちゃ混ぜになってあるとは思いますが、少なくとも主人公がちゃんと相手の想いに気付いていて、そして自分自身も相手に対して恋心を抱いていることを理解しているのが他のラノベとは違ってて良かったかな、と思いました。


今回なんでこんなに長々と書いてるかと言うと、べ、別に面白かったと思っていろいろ書評見に行ったらぼろんかすにけなされてて悔しかったからなんじゃないんだからねっ!
http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/books.php?id=26834