生徒会の四散 碧陽学園生徒会議事録 4

著/葵せきな イラスト/狗神煌 レーベル/富士見ファンタジア文庫

生徒会の一存シリーズの第4巻。
登場人物が一生懸命頑張る作品が好きな人には根本的に向いてない作品だなと思いました。
作品の主張というか価値観というか根底にあるのが間違ったエリート主義とでも言うべき選民思想で、エリート主義により他者を見下した主人公やヒロイン達が教師を馬鹿にし一般生徒を見下す作品なので、なんかこう読んでて嫌な気分になります。世の中をエリートが動かすってシステムに関しては全くもって同意できるものの、そのエリートが導くべき民衆を馬鹿なものとして見下し自らの地位にふんぞり返ってしまったのなら、それは最早エリートではなく腐敗した権力者にすぎないわけで。作中で何度も一般生徒を見下してたかが一般生徒のためにそこまで頑張らなくてもいいみたいなことを言ってたり、そのくせ身内には激甘だったりとほんとなんだかなぁって。
統治システムとしてのエリート主義は確かに優れ物だけど、民衆のためにこそ権力を行使するべきだって基本を忘れてしまっては本末転倒だと思いました。政治学は触りしかやってないのでやや感覚的・感情的な価値観での話ですけれども。
そもそも生徒会がエリートなのかってのからして微妙なんだけど、主にヴィジュアル重視の人気投票で選ばれたはずなのに、異様に能力高かったりカリスマがあったり何より教師に勝る権力を持っていたりと設定にも違和感を覚えました。