バカとテストと召喚獣俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長(以降おかま)

著/哀川譲 イラスト/H2SO4 レーベル/電撃文庫

 聖桐学園名物といえば勇者生徒会と魔王生徒会。人間と人外が共学のこの学園ならではの制度だ。まぁ名前の通り対立している訳で。
 伏城野アリス──俺の幼馴染み。完璧超人とはよく言ったもので、容姿端麗・成績優秀・スポーツ万能な何でも来いなやつだ。おかげで俺はアリスの小判ザメと言われる訳だが……。そんな彼女が生徒会長の勇者になるのはいい。何で俺が魔王になっちまうんだ!? 正体を隠さなくてはならない俺、魔王(俺)を目の敵にするアリス。めちゃくちゃハードな学園生活が待っていて!?

第16回電撃小説大賞最終選考作品。CLOWNさんから借りてるんですが、自分でも1巻買いました。と言うわけで現在手元に2冊あります。
軽妙な会話とテンポ良いテキストによりぐいぐい読者を惹き付けるストーリーと、格好いい主人公、夢に向かって進む完璧幼馴染な可愛いヒロイン、そしてその2人の関係に徹底的に焦点を合わせた起承転結のがっちりした王道展開と、これがデビュー作とは思えない面白さでした。
完璧な幼馴染に好意を寄せられながらも、彼女に釣り合わない凡百な自分に対するコンプレックスと思春期の少年の抱える小さいけど譲れない自分へのプライド。それらが主人公の優しさと相まって、自分はたまたま彼女の近くにいただけの普通人なだけで、彼女はその能力に見合ったもっといい人と幸せになるべきだという考えから、好意に気付かない振りをする主人公の切ない胸の内が描かれており、久しぶりに最近主流の流されがちで主体性の低い主人公ではなく、カッコイイ主人公らしい主人公を見た気がします。
本当に面白くてすぐに1冊読み終わりました。


しかしながら、非常に残念なことですが、この作品に盗作疑惑が持ち上がっています。

俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長」は「バカテス」のパクリ

『俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長』間違いなくバカテスをパクッてる(主にライトノベルを読むよ^0^/さん)
確かに主人公がツッコミながら話を進める文体はバカテスに非常に似通っています。後書きもよく似ていました。ただまぁそれだけなら問題ないレベルです。問題は会話の掛け合い部分にほぼ丸パクリと言って相違ないテキストの酷似した箇所があったという事。

・おかま
ヘッドバットではない。おはようのチューだ」
「よし。余計な動きを見せるな。
手を頭の後ろに回して、
何を企んでいるかゆっくり説明しろ」 


・バカテス
「? じゃあなんだ? ヘッドバットか?」
「……キス」
「よし。余計な動きを見せるな。
手を頭の後ろに組んでから
ゆっくりとわかりやすく説明するんだ」 

・おかま
こうなっては仕方がない。
少々冷たく突き放すことになってしまうが
『俺の上からどけ』
と言うしかないだろう。
「アリス」
「断る」
「とりあえず俺の上から……」
早い、早すぎるぞ!
まだ何を要求するかも言ってないのに!


・バカテス
よし。こうなった以上は仕方ない。
今日こそはハッキリと
『翔子、俺のことは諦めてくれ』
と言ってやろう。大きく息を吸って――
「翔子」
「イヤ」
「……俺のこと……」
早い! 早すぎる!
まだ名前の部分しか言っていないというのに!

正直これは見て書いたと言われても仕方ない、と言うか見て書いてるとしか思えない。1個ならギリギリ偶然と言えるかもしれないけれど、複数あるからね。全体的な文体や後書きなどもよく似ていて、井上堅二の偽名かと思うほど。非常に面白い作品だった(実際売れてます)だけに、こういうパクリがあったのは非常に残念でなりません。疑惑の箇所は上のサイトでまとめられてるけど、グレーじゃなくて完璧に真っ黒なくらいに同じ文章。そりゃまぁ人気作から丸パクリしてたら面白いよね。
ちなみに「おかま」は俺の「お」、彼女の「か」、魔王の「ま」だそうです。
あと主人公はコードギアスルルーシュに良く似てます。顔がばれないように仮面被ってる、頭の切れる人間。完璧ヒロインと幼馴染だけあって体力は並よりあるけど。これも設定とかパクってるのかもね。

で盗作疑惑の後に絶版になりそうなので買っておきました。盗作分かってて買うってのもどうかとは思ったんだけど、いやほんとぱにーに(=゚ω゚)ノの一番好きなタイプの話・作りだったんだよね・・・・・・(´;ω;`)