踊る星降るレネシクル

著/裕時悠示 イラスト/たかやKi レーベル/GA文庫

島民さんの大好きなたかやKi(じぇのばけ〜き)がイラストを務める第2回GA文庫大賞奨励賞・・・・・・なんだけど、20P読んで本を閉じたくなった( ^ω^) よく出だしの微妙さを乗り切って先を読もうとしたと思う。自分で自分を褒めてあげたい。


でもどん引きの序盤さえ乗り切ればヒロインの成長物と思わせて主人公の成長物語を描いた真面目な作品で面白かったので、最初の所で投げちゃった人はめげずに読んでみたらきっといい事あるんじゃないかな。
タイトルのレネシクルはアイヌ語。世代的にアイヌ語と言えばアンヌムツベ!(`・ω・')キリッな年頃なんですが、特にアイヌがどうという作品ではありません。レネシクルの意味は「オリオンの三つ星」で、グーグル先生でも意味までは出てこないそうです、と言うようなことが著者紹介に載ってました。
ストーリーを要約すると最強とは何ぞや!という中2病をこじらせた人間たちが「一番強い奴」を求める戦いを描いたバトルもの。ヒロインが打ちのめされながらも諦めず懸命に頑張る姿を見て、トラウマから来る心の弱さを克服して新しい一歩を踏み出す主人公が格好良かった。
そして健気に頑張るヒロインの舞波すまる(表紙)がとても可愛かった。あ、「すまる」って変な名前だけど多分「すばる」と同義語。プレアデス星団ね。星が話に関わってるから多分間違いないかと。ちなみにうちの車はスバルのR2です。よく走ります。代わりに居住性能は底辺だけど。
閑話休題
設定も練られていて色々と伏線が貼られているので読んでて飽きません。小ネタもしっかり後で回収されてて、あれはこういう事だったのねと、読んでて楽しい作品でした。会話でさらっと触れた主人公のパンツの柄の話が終盤の大事なシーンで大事な役割を担って再登場したりとか。
最後、主人公が憧れるヒロインと、主人公に憧れるヒロインのダブルヒロインが居て、どちらも星霊と呼ばれる星の神を降臨させる星振りの使い手で、さらにそこに主人公が絡んで3つ巴になってどうやってケリ付けるのかなと思ったら、それを上手く纏めつつ信念を賭した熱いバトルが用意されていて、バトルの結末となるオチも含めてとても面白かったです。
でもやっぱり出だしは変えた方が良かったと思う。立ち読みで最初だけ読んで切っちゃう人が多そうなので。
かなりお勧め。