バカとテストと召喚獣 6

著/井上堅二 イラスト/葉賀ユイ レーベル/ファミ通文庫

試験召喚システムに生じた不具合を利用して召喚獣を肝試しに使うお話。
召喚獣を肝試しのお化けにするアイデアは面白かったものの、生徒に不利益を与える事を承知で不具合を隠そうとする理事長&教師陣の考えにはゲンナリ。子供が馬鹿なのは仕方ないとしても、まともな大人が一人も居ないのは駄目だと思った。余りにも話が軽くなるので。みんな自分さえ良ければいいキャラばっかりで、いかに他人を出し抜くかしか考えて無くて誠実さの欠片も無いのに、仲がいいといういかにもご都合主義な人間関係もなんだかなぁ。まぁ自分さえ良ければってのは受験にも通ずるものがあるので一概に悪いとは言えないけれど、あまり友人としては付き合いたくないかなぁ。
あと「召喚獣バトルはテストの点数だけじゃない!」が発展して「溢れんあふれんばかりの召喚獣を操作する才能で圧勝!」になったのも微妙でした。結局個人の才能だけが物言うんですね分かります(笑) 僕が本気出したらサイが勝てるわけ無いでしょ(笑) 主人公補正(笑) そんな感じ。 勉強という個人の才能の代わりになるのが単に召喚獣操作というまた別の個人の才能に置き換わっただけで、しかも操作の才能も主人公が血の滲むような特別な努力したわけでも何でも無いってのは、なんかこう感情移入しにくいです。