本日の騎士ミロク

著/田口仙年堂 イラスト/高階@聖人 富士見ファンタジア文庫


作者(吉永さん家のガーゴイルの人だそうで。読んだ事無いけど)自ら自信作と言うだけあって、かなり質の高いファンタジーでした。
大まかにはボーイミーツガールならぬボーイミーツプリンセス。剣の腕だけは自信がある主人公ミロクが、色々有りながらもジェルメール姫と絆を作ってゆく剣と魔法の物語。
個人的には姫様とフェリサ(ミロクの同僚)が可愛くて(;´Д`)ハァハァだったのですが、それ以外では伏線の使い方が秀逸で、色々気になるところがあって読み終えてすぐに読み返しました。


フェリサ可愛いよフェリサ可愛い。
途中まで故意に無口系キャラっぽい描写がされてて、あまり本編にも絡まず正直なところ名前も覚えてなかったのですが、喋りだしてからはランキング急上昇。本編にはあまり関係ないっぽいキャラのどっきりギミックだっただけに特にインパクトが大きかったのかもしれません。


閑話休題
例えばミロクが物語冒頭で当然の様にぼっちゃんと呼ばれてたり、オウガンの竜騎兵との戦いでフードで顔を隠した時に、何故そうなったのかをいちいち書かないで読み手に任せていた所が、思ったことや理由を逐一何でも表現する傾向にある近年のライトノベルのスタイルとはちょっと違ってて新鮮でした。
分かりやすく何でも書くのも悪いとは思わないけど、やっぱある程度行間は読ませるのも書き手の技術だよね。情報公開が低ければ読み手に通じなくなっちゃうし。その辺のさじ加減がしっかりできてて、読み応えってほどではないですが、読む事それ自体が楽しかったです。


あとミロクは育ちのせいもあって剣しかできない熱血馬鹿なんだけど、芯の通った熱血馬鹿なので好感持てました。自分の思うとおりに行かなくても「不幸だ・・・」なんてグチグチ文句を言わないでスパッと仕事辞めるし(それもどうかと思うけど直情型らしいよね)、どうしても譲れない信念、曲げれない事は絶対に曲げないものの、相手もまた持つであろう譲れない信念・想いが自分の胸に届けば、それを自分の信念と融合・昇華させて一歩前に進むことができる、そんなカッコいい主人公でした。
やっぱさ、相容れない信念がぶつかった時に簡単に主人公補正で相手を全否定してお説教かますのはダメだよね(^^;


最後にタイトルの「本日」って一体全体なんなのさ(´・ω・`)
明日じゃあかんのかい。


・・・・・・あ、分かった。「本日」は「日本」の反対だよね。ミロクの出身国オウガンは日本がモチーフっぽいから、きっと本日→日本→オウガンでオウガンの騎士ミロクってことだね間違いないよ。
俺って頭イイ!!( ´∀`)σ)Д`)