とらドラ10!

とらドラ10! (電撃文庫)

とらドラ10! (電撃文庫)

人気シリーズ最終巻。
最初に買った時は3巻発売のころだったかな?
当時まだほとんど無名だったとらドラ!が、メロンブックス神戸店(移転前)にて「店員お勧め」として大きく(無名の割には)宣伝されていて目に留まったのが、この本との出会いでした。
うん、あの当時のラノベ担当の店員は見る目あるね。
で、その後既刊をすぐに揃えて、さらに同じくゆゆぽ著の「わたしたちの田村くん」も1,2巻揃えて今に至るわけで、その最新刊で最終巻としてかなり期待していたわけなのですが、正直なところまったくもって期待外れでした。


その期待外れだった所を端的に述べるなら、決意に至った過程の描写が短い割りに、その前後の心理描写が非常に冗長かつ大仰な比喩表現によって延々と展開されていたり、同じような内容の繰り返しだったりで、非常にテンポを悪くしているということ。
次どうなるんだろ?って思ってもなかなか次の場面に移ってくれず、延々中身のない比喩や繰り返しを読まされて、読んでてイライラしてしまいました。
もちろんそんな感じで読まなくても全然問題ないところがある分だけ話の展開力も落ちてしまっている訳で、ページの割りに内容が薄くて読み応えもかなり少なめ。
8巻くらいから特に顕著だったんだけど、こういうのって字数稼ぎ以外の何物でもないよね。ずっと俺のターン!ネタとかがその代表例。自分のネタですらないのにどれだけそんな意味の無い一部層に媚びただけのシーンにページ割いてるの?と。


あと10巻の竜児と大河がやたらと達観してるのもマイナス要因。
2人とも頭でっかちすぎて、余りに若さが足り無い、というかそもそも最近の大河は言葉使いがオバサンすぎるよね。あれは本当にどうにかして欲しかった。


そんな感じで非常に尻切れトンボな印象を受けた最終巻。
新刊はほとんど発売日に買うくらい好きな作者だっただけに、できれば違う形の感想を書きたかった今日この頃、これはあくまで個人の感想なので、イラッときても大人の対応してね。