夜明け前より瑠璃色な-Moonlight Cradle-

感想

翠、エステルのPS2組は専用EDがあったり2人の間に問題が起こったりとやや優遇。逆にフィーナ含む旧キャラはお話の内容としてはあまり起伏が無くややパワーダウン。ちょっと短かったしね。付き合った後のイチャラブ描写が転げまわりたくなるほど半端なかったので、もっと見ていたかった感じ。本編で特別ルートがあり結婚式までやったフィーナは余りやりようないけどね。どうやっても蛇足になっちゃうし。
そんな感じでヒロイン達はほんと可愛かったです。いやほんと、オーガストのラヴラヴ描写は業界トップレベルだと言っても過言ではないくらいにストライクフリーダム
健気に尽す麻衣、能天気だけど隠れて結構悩んでた翠、素直になれないエステル、リースの責務、自分探しに頑張るミア、のろけさやか、寂しがり屋のフィーナ、料理を頑張る菜月と、言葉にするとほんと記号的で短く味気なくなってしまうけれど、そこには作り手のキャラへの確かな愛情を感じられました。


そんな愛情溢れる構成の中で、最後はやはりフィーナルートに終着させているあたり、夜明け前より瑠璃色なの正ヒロインはあくまでフィーナだって確固たる意思表示が表れていて、それも良かったと思います。フィーナと共にあるために切磋琢磨し成長した達哉に、かつてのサンドイッチマンとしての姿は微塵もありません。その達哉の姿を通してユーザーに語りかけるメッセージとしては、どんなに苦しくても目標の為に諦めるなあたりでしょうか。
特にフィーナルートは達哉がフィーナのパートナーとなるべくもの凄く頑張って愛を貫くのが格好いいよね。MCだけだとちょっと短すぎるけど。


で、正ヒロインがフィーナなら、今回の裏ヒロインともいえるべきキャラが、Moonlight Cradleから登場のシンシア・マルグリット。新キャラだけあってルート自体も長く、何よりオーガストには非常に珍しい悲恋物語。そしてここからオーガストの新たな歴史が始まる、そんな予感を抱かせる渾身の力作でした。


「春が来て、ずっと春だったらいいのに」
「この夏休みが、ずっと続けばいいのに。そう思えるような絵を、彼はこの夏に描いた」
などの名シーンを思い出してしまう、そんな素晴らしい出来。あ、シンシアシナリオがツボった人は水夏第2章、Kanon真琴√なんかがとてもお勧めです。特に水夏第2章は本当に切なく悲しい夏物語なので是非是非プレイを。
水夏はできれば無印プレイしてね。声優さん違うのと、やや蛇足っぽい新規シナリオが入ってないので(><)