デート・ア・ライブ 19 澪トゥルーエンド

著/橘公司 イラスト/つなこ レーベル/富士見ファンタジア文庫

ファンタジア文庫8月新刊。
デート・ア・ライブのメインストーリー最終巻。
外伝入れれば20巻以上という、長く続いた物語がついに終わりを迎えます。
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狂三さんによる記憶時間遡行もあって、再び決戦前夜へと舞い戻った五河士道。
同時に、最後に戦った澪の言動から、始原の精霊・祟宮澪(=村雨令音)の本当の想いに気付きます。
いくら産みなおしたとしても、その真士は生前の真士ではなく、五河士道の身体に記憶を植え付けだけの紛い物に過ぎません。
つまり澪の本心は、永遠に生きる真士を作り直すのではなく、五河士道に霊力を封印されることで、真士のいない世界と決別しようとしていたのでした。
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その想いに気付いた五河士道は、最後に残った時崎狂三の霊力を譲渡されて、ついに10個全ての精霊の力を束ねると、澪の心に真摯に問いかけることで、ついに澪をデレさせます。
時を同じくして、始原の精霊を再臨させてその力を取り込んだウェストコット。
全てを無に帰す最凶無慈悲の魔王に対して、デレ澪が同格の天使「デウス」でもって対抗。
始原精霊同士の、同格の力をぶつけることで対消滅させ、そうしてラスボス二人は露と消えたのでした。
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デート・ア・ライブという物語は、五河士道という主人公の視点をベースに展開しながら、その実、根幹にあったのは崇宮澪の愛の物語でした。
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もうね、イラストがねマジ半端なかった。
つなこ先生ちょお本気出してました。
表紙のエロドレス来た令音さんにはじまり、思い出の海でのダブルデート、五河士道の肩で30年ぶりに微睡んだ令音さん、ゴスロリ限定霊装が初お目見えの狂三、ラジエルで実体化したマリア、澪がウェストコットの無の魔王を対消滅させる最後のシーン。
どれも最高級品質の美麗イラストで、物語に華を添えていました。
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そして全て終わったと思ったら、消えゆく澪の霊結晶(セフィラ)を奪った十香。
反転したみたいに不穏な様子で、そして世界は光に包まれて――次巻に続く。
そう言えば十香だけ前世が無い精霊だったっけ。
その話を、今度は五河士道の愛の物語としてもう少しだけやるのかな?
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澪、ウェストコット関連の全ての風呂敷が畳まれ、綺麗に終わりました。
とても面白かった。