世界の終わりの世界録<アンコール> 9 絶望の始祖

著/細音啓 イラスト/ふゆの春秋 レーベル/MF文庫J

レン達は王立七十二階位特務騎士団(エルメキア・ダスク)が使用していた砂漠の監獄にて最後の仲間フィア先輩と再会し、ついに全ての始まりたる神性都市へと向かいます。
即時転生を繰り返す不死の悪魔オルタネート、不定形のヘドロ竜ネビュラ。異次元の強さを誇る『三起源』との戦いも始まり、物語もクライマックス感が出てきました。
サブタイトル『絶望の始祖』は三起源=世界に最初に召喚された悪魔、天使、竜のこと。
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夢魔オルネートは、精霊に師事し世界の理へと到達したレンが、時の始原精霊カナンから最後のアドバイスを受けて「秘伝」へと至り、始原の炎を使って単身撃破。
三英雄のなかで最弱と言われた主人公レンが、最終決戦用スペックへと到達しました。
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異世界から召喚された『異物』=『真精』=『終焉の精霊』=『フィオリアの樹』=『終焉の島』の暴風に守られるもの。
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精霊女王シィエラミリスは、かつて世界の守護者として『真精』と戦い、封印するのに力を使い果たして眠っています。フィオラたち沈黙機関はシィエラミリスを再び世界に解放するために活動しており、そのために三封印を欲していました。つまり突き詰めれば人間の味方。
『光り輝く者たち』として大昔に神性都市を攻撃していたのも、最大の目的は『三種族』よりも『真精』の撃破。
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『世界録<アンコール>』は神性都市が『真精』に対抗するための新たな精霊を召喚するために作り上げた古代召喚術の最強の発動体。エルラインはそのごくごく一部である映像録画機能を使って、世界の危機を次代の『英勇』に伝えようと『世界録』を残したのでした。
召喚される精霊は『ナスターシャ』。発動体(アンコール)に込められた三種族のパワー不足でへっぽこしか召喚できず、解説係みたいな性能しか今はまだ持ち得ていません。
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という感じで物語の核心が明らかになりました。
次は最終巻10巻。
三起源の残り2体を撃破し、三大姫の力を借りてナスターシャを完全召喚し、真精を討滅するのがパーティ『再来の騎士』の旅の到達点となります。