精霊使いの剣舞 15 ドラクニアの竜王

著/志瑞祐 イラスト/仁村有志 キャラクター原案/桜はんぺん レーベル/MF文庫J

フィアナを救いだしてドラクニアに亡命したチーム・スカーレットご一行。ドラクニアの竜王バハムートちゃんの庇護の元、正統オルデシアを宣言して対抗していきます。
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冒頭で最強の力を取り戻した「ダスクウィッチ」グレイワースには負けて、再戦で勝ちました。
記憶を取り戻し異界の闇の力を支配したレスティア・アッシュドールの真実を貫く剣、聖剣テルミヌス・エストによるカミトくん二刀流なのです。
戦闘シーンは基本必殺技の打ち合いなので、面白いかと聞かれたらやや微妙。
凄い必殺技を、超凄い必殺技で返すバトルなので、知略でどうとか戦術がどうの駆け引き要素はほぼありません。
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レスティアが異界の闇の力を使いました。つまり闇の精霊王の力は異界の闇ってこと? 次の16巻が伏線回収巻らしいのでその辺も全部明らかになるのでしょう。そろそろクライマックスも近そうです。
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思考はもはやドラゴン、履いていない肉食ヒロインことレオノーラがハーレム入り。
帝国の急襲により子作りは失敗したものの、しっかり可愛らしさをアピール。しかしグレイワースに瀕死の重傷をおわされたため、これから先の戦闘からはリタイヤになります。
ちなみにパンツを履いていない理由が明らかになりました。レオノーラが裸族の変態痴女なのではなく、竜王バハムートに使える竜の姫巫女だから。バハムートは女の子のノーパン姿が大好きなのです。なら仕方ないよね。
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竜の巣舞う霊峰でクレアたちが修行。1000年前に調子乗ってた魔王竜ヴリトラが、聖女は倒したのにブチ切れた聖剣エストにしばかれた悲しい歴史の真実が明らかになります。全盛期エストは当時を知る精霊たちにとってガチのトラウマらしい。
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己の過去と向き合ったクレアは、カミトを好きだという本心を解放し、心の最奥でつながった契約精霊のスカーレットの真名「スカーレット・バルキリー、オルトリンデ」の力を完全解放することに成功します。
物語における血統主義は否定しないけど、数日の修行で覚醒するとか血統によるものが大きすぎてやや釈然としないものも感じなくもありません。
元々能力は高くてメンタル面での殻を破っただけなんだろうけど、なんかこう淡々とパワーアップしすぎというかもうちょっと見せ方があるんじゃなイカ
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あと人の名前が難しい。第3部は国家間戦争になって登場人物が多いのもあるんですが、急に出てきたキャラは時々、誰かイマイチよくわからずに読んでる事があります。さらっとでも説明してくれたらもっと楽しめるかな、と。
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面白かったんですが、クライマックスが近い割にやや盛り上がりが小さい感じ。