魔導少女に転生した俺の双剣が有能すぎる

著／岩波零　イラスト／Glise　レーベル／MF文庫J

主人公はいきなり殺されて、魔法が万能の異世界に転生します。
この転生先の世界において、魔法は本当の意味で万能で、魔法でご飯も出せるし、衣服も出せるし、老廃物は除去できるし、身体も清潔に保てるし、家で家具でも何でも好きなものを出せます。なんでもできます。
全てのことが魔法でできるため、この世界では魔法さえ使えれば生活に困りません。よって基本的に労働という概念も存在しません。魔法を高めてよりよい生活を手に入れる以外には特に学問も必要ありません。
そんな魔法に全てを委ねたある種のディストピア世界で、自分を殺した犯人に復讐するため「魔導少女に転生した有能すぎる双剣」とともに、魔法学園で世界一を目指します。
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なんだけど、ヒロイン力がすごく弱い。
まず表紙の二人は攻略対象ではありません。表紙に出てこないヒロイン二人とのラブコメで、表紙の二人はサポートしてくれます。というか表紙の二人が主人公と一緒に異世界転生した双剣少女たちです。
ヘンテコ転生にこだわりすぎて、物語の本質が薄くなったというか。若干本末転倒的な。
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双剣少女とは別に攻略対象としてKYで変態なノエル、テンプレツンデレのリリアのダブルヒロインがいます。後者はよくある人気属性で語ることもあまりありませんが、前者はガチで変質者気質があるヒロインで割と珍しかったかな、と。悪いことをしたらちゃんと謝れる素直な子ですが、その前に必ず変態的な行為を行います。
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もう一つきになったのが、戦闘シーンの緊張感の無さ。
主人公たちを殺した犯人は最後に勝手に出てきたかと思うと、殺した意図までご丁寧に喋ってくれます。とてつもなく親切な人で泣けてきます。
そして生死をかけた戦いと描写されているのに、緊張感の欠片もなくゆるゆる日常パートの延長の雰囲気で、特に主人公の言動にまったく必死さがなく、ちょっとメリハリにかけてたかな、と。