吾輩はオークである。 女騎士はまだいない。

著/内田俊 イラスト/佃煮のりお レーベル/MF文庫J

矢沢琢郎はオークである。名ばかり文芸部の部長で、新入生はまだいない。「今日からこの部は、《豚の騎士団》だ!」
こうして始まる、オークと女騎士と異族だらけのまったり文芸部ラブコメ、奇跡の幕開け!

MF文庫J2月新刊。
ダラダラ日常系のパロディ、なんですが、パロディの元ネタがさっぱりわからないので全く楽しめませんでした。
多分これは、なんJとかまとめサイトのノリだと思う。あと身内ノリ。そういうのが好きな人向けでょうか。なんていうかかなり若い人向けっぽいラノベ。年齢的にぱにーに(=゜ω゜)ノの存在がもはやカテゴリーエラーだったというか。
でもまとめサイトユーザーは、いちいちラノベを読まないよね? まとめサイトの中で設定や展開、キャラが取り上げられるのを見るよね? つまりラノベ読者の需要と供給(つまり売上ですが)の面で、やや難ありなのではないでしょうか。
MF文庫Jは年間100冊前後読んでいますが、文体といい内容といい、ここまで違和感のある作品は記憶にありません。非常に特殊なフォーマットだと思います。
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せめてボクにパロディを理解できる共通認識があればよかったんですが、ボクはまとめサイトは見ないし旧態依然とした芸スポ民なので、ほぼ全てのパロディやネタがまるっきり理解できませんでした。
ここは笑いどころなのだろう、登場人物たちにもバカウケしてる、しかし何が面白いのかさっぱりわからず完全に置いてけぼり。他にもさらっとスラングが登場して、何を言ってるか分からない所もあり、読んでいてかなりストレスを感じました。
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そんな中で数少なく分かったのがKeyの最高傑作とも言われるKanonネタ。しかし月宮あゆがディスられていた件に関して。かつて重度の葉鍵っ子だったので、若干イラッとしなくもなかった。
うぐぅの何が悪いの? いやうぐぅという口癖がちょっと変なのは分かるんだけどね? でも例えそれが真実であっても、一片の愛情も無くネタにされてディスられると、正直いい気分はしません。ネタやパロディは取扱注意、基本的にはディスったらダメなんだなと再認識させられました。
ネタ元作品を好きな人ってのが絶対にいるからね。共通認識のある身内で馬鹿にして盛り上がるだけならまだしも、それを外に出しちゃったら、ファンの目に触れてしまうこともあるわけで、基本ディスるのは良くないかな、と。
「ボクのこと、忘れてください……」月宮あゆの名シーンです。このシーンにもうぐぅが出てきます。うぐぅをdisるということは、つまりそういう事です。
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というわけでボクにはちょっと向いてない作品でした。