俺が主人公じゃなかった頃の話をする part5 ラスボスにジョブチェンジしちゃった件

著/二階堂紘嗣 イラスト/館川まこ レーベル/MF文庫J

MF文庫J10月新刊、シリーズ最終巻。
魔術は使えないのに強大な魔力炉《ネメシスコア》を持つ主人公が、他の魔術師にその力を悪用されないように監視するお役目を担っていた幼馴染《千年魔女》こと一条ありす。
そんな1巻からずっと主人公を陰ひなたにサポートしてくれた幼なじみがラスボスにジョブチェンジしちゃうお話。
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長く一緒にいる間に異性としての好意を抱くようになったものの、それが相次ぐヒロインの登場で主人公の隣りの座を奪われて精神的に追い詰められ、意図せず《ネメシスコア》の力を使ってしまって世界を破滅に導くラスボスになっちゃったけど、主人公がありすへのコンプレックスと男友達への歪んだ優越感と何よりも一人の女性としての好気だという事を伝えて説得してハッピーエンドになりましたとさ。
何このこそばゆいラブコメ
リア充爆発しる!(>_<)ミ☆
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正史では結ばれないはずの二人が平行世界が混在した新しい世界で結ばれたわけですが、元の未来では主人公が天才発明家になってしまったことで今度はありすの方が主人公にコンプレックスを抱いてすれ違っちゃったんだろうな、というのが書かれてはいなかったけれど言外に読み取れました。その辺細かく突っ込んで書くとNTR要素が濃くなってカテゴリーエラーになっちゃうからね。
主人公が乗り越えたコンプレックスと対比させてありすの心の弱さを描いて(元のありすは乗り越えられられず、混在世界のありすもチートを頼ってしまった、そんなありすの心の弱さ)物語に深みを出すために必要な要素なんですが、それによって作者の評価が下がったとしてもばっさり切り捨てて書かなかったのは正しかったと思います。
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面白かった。
館川まこ先生のぷに可愛いイラストもとても良かったです。
特にカウガールスズランが超良かった(*´ω`*)