スリーピング・ストレーガ 1 転入少女の魔術戦略

著/真野真央 イラスト/風瑛なづき レーベル/MF文庫J

「――君、うちの妹のリオと同棲しなさい」「なっ!?」妹の真白と慎ましい二人暮らしをしている普通の高校生・綾瀬君色はある夜、化け物と戦う戦闘魔術師の鍵宮玲樹と出会い、彼女の妹・リオとの同棲を迫られる。鍵宮リオは転入早々「元ニートなので他人と関わりたくない」と寝ぼけた宣言をした変人だ。君色は事情を知らない真白を交換人質にされて渋々承諾するのだが、リオの正体は玲樹すら比ではない破格の魔力を秘めた稀代の魔術師で――!? かくして君色とリオの、とある“条件付き”同居生活がはじまる!! 魔術の宴が花開く真夜中の美少女バトルコメディ、颯爽登場!

MF文庫J11月新刊。
第8回MF文庫Jライトノベル新人賞<審査員特別賞>受賞作(応募時タイトル「テンサウザンドの節約術師」)。
非常に丁寧にストーリーが作り込まれた、ラブコメ&コメディ要素多めの異能バトルもの。
「ストレーガ」はイタリア語で魔女だそうです。眠れる魔女、かな? スリーピングは英語だと思うのでケーニッヒウルフ的なネーミング感なのでしょう。
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ほとんど全ての事柄に明確な理由や目的があるので読みながら安心感を覚えられました。
例えば主人公は妹と貧しい二人暮らしをしていますが、ちゃんと理由があってしかもそれが話の重要なポイントになってるとかほんと良くできてます。
主人公が恋愛に対してだけ不自然なほどの突発的難聴になったりしないよう、貧乏設定を応用して恋愛は金がかかるから今はできないし妹の真白との生活を守るのが一番なんだと言わせたのも非常に自然な流れでした。もちろんこのまま無理なくハーレム展開に持って行けそうな感じです。
魔術が血統で遺伝するとか序盤でさらっと流されたところが真白に関する重要な伏線になってたり、鍵宮リオがラノベの修行シーンが一番退屈だったと感想を述べるシーンなどなど、最後の最後で色んな事柄が集約されて綺麗に風呂敷がたたまれてオチまでついて、非常に読後感の良い作品でした。
ほんと新人とは思えないほどの質・量ともに高いレベルでの素晴らしい手際の良さです。
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あとメインヒロイン・鍵宮リオが主人公のもやし炒めの美味しさに屈して素直になってからが半端なく可愛かった。
妹の真白も従妹の棗も出てくるヒロイン軒並み可愛いかったので、ヒロインを可愛く書く力量があるってことなのでしょう。
とてもいいことだと思います。
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全てにおいて高いレベルでまとまってるのでとてもお勧めです。