オレと彼女の絶対領域〈パンドラボックス〉 1

著/鷹山誠一 イラスト/伍長 レーベル/HJ文庫

未来を変えられたら、君にすべてをあ・げ・る
高校入学直後にオレが一目惚れした黒髪の少女――観田明日香先輩は、『絶対不可避の不吉を告げる魔女』として全校から恐れられる存在だった。自分が視た悪夢が100%現実化してしまう先輩の悩みを知ったオレは、従姉で生徒会長のサヤ姉の制止を振り切り、先輩の未来を変えるべく行動を開始! だが数々の偶然がそれを阻んできて……どうなるオレと先輩の運命!?

第5回ノベルジャパン大賞《大賞》受賞作。
これで大賞か・・・・・・やっぱHJ文庫は微妙だな・・・・・と言うのが一番の感想。
物語の終盤に魔女の力を解き明かすシーンがあるんだけど、相対性理論がどうの電子のスーパーポジションがどうの観測者がどうのetc...、いきなり量子力学の説明が始まってしかもそれが物語の核心に直結してて、この作者は物語を書きたいんじゃなくて量子力学について高説を垂れたいの?ぱにーに(=゚ω゚)ノは科学の一般教養受けてるんじゃなくてラノベって言う娯楽的物語を楽しんでるんだよ!!!!と何度も思いました。
量子力学なんて興味無いので一から理解しようと頭使う必要がある上に、一体全体量子力学の説明に何ページ割いてるんだよってくらいに長上・・・・・・しかもそれによって得られた結論が「観田明日香が観測者である」という一点だけということもあって、クライマックスシーンのはずなのに読み疲れて盛り上がろうにも盛り上がれませんでした。
ちゃんと難しい理論を噛み砕いて説明してるんだろうし、日本語で書いてある以上読んで最低限の理解はしますけど、それでもただの考察というか科学の定説(?)をそのまま説明してるものを物語と呼ぶのはちょっと如何なものかと思います。
文系、特に理数系が苦手な人はきっと読まない方が吉。ほんと終盤一番の見せ場の辺りで量子力学の説明文読まされてイライラしたので。だって文系だもの。理系の人が読むとまた違った感想を持つのかもしれませんが。