僕の妹は漢字が読める 1

著/かじいたかし イラスト/皆村春樹 レーベル/HJ文庫

でたひと→きよし
きよし「おくれちゃうにょ」
どうがサイトみてたら ねぼすけ←だめっこ
いきなりちこくは やばっ
こうえんぬけたら
おなのことごっつん☆
きよし「うあっ」
おなのこ「みゃあっ」
わわわ でんぐりがえっておぱんちゅ きらり☆
きらっ きらっ
きらり☆
おぱんちゅ→おそらいろ

発売前からラノベ界隈で話題騒然となっていた、第5回ノベルジャパン大賞「銀賞」受賞作。
漢字が衰退した23世紀日本文学界を舞台にしたSFライトノベルで、自らもラノベの形式をとっていながらラノベを初めとした現代の大衆文化を痛烈に風刺した意欲作。
さらに文学の本質とは何かという命題に正面から取り組み、タイムスリップを通して、文体は時代時代により変化するが作品に込められた作り手の想いは変わらない、それこそが文学の本質であると定義した哲学的な側面も持っています。
23世紀を生きる主人公が、へいせいてん(平成展)で触手に巻きつかれる天使のポスター(魔界天使ジブリール)を見て天使が拘束されているんだからきっと宗教画だと言ったりするシーンなど作者の発想力も非常に豊か。
ヒロインはお兄ちゃん大好きな一つ下で漢字が読める義妹イモセ・クロハ(表紙、23世紀は漢字が衰退してるのでカタカナ表記)と、兄を亡くした21世紀の一つ下の少女弥勒院柚。ラノベの基本ともいえる可愛い女の子をちゃんと押さえています。個人的には弥勒院柚ちゃん派です。ツンデレも悪くないけどどちらかと言うと、
やさしい おむね おっきい ← すきすき
タイトルにもなってる義妹のクロハが漢字を読める設定にもちゃんと理由があって、タイムスリップ先の21世紀でちゃんと物語に絡めながら暗示したりと、色んな伏線が散りばめられてて読んでて楽しい作品でした。
とてもお勧めです。
きらりん!おぱんちゅ おそらいろ☆