たま◇なま ~生物は、何故死なない?~

ホビージャパン文庫大賞受賞作。
大賞受賞作だけあってここ2ヶ月くらいに読んだラノベで一番面白い作品でした。別に表紙が魚さんだからとか、ヒロインがコーティに似てたとか「きさま……わたしのつがいに、なれ」ってキャッチコピーに惹かれたとかそんな理由で買ったんじゃないよ?本当だよ??


ジャンルはSFなラブコメで、いわゆる突然同居系。しごくどうでも良いんですが、この「〇〇な〜〜」って言い方便利ですよね。体言に形容詞の連用形の語末らしきものを無理やりつけて用言にしているんでしょうか。日本語としては全く以て正しくはないんでしょうが、2つの全然違う単語を並べながらもその主従まで付けて端的に言いたい事を表せると言う、日本語の持つ機能性と美しさはしっかりと持っていると思うのです。


で何が面白いかと問われたら、キャラの掛け合いが非常に面白かったです。タイプはちょっと違いますが、それ散るの小町との会話が好きな人なんかはおそらく面白いと感じるのではないかと。
また、賞を取っただけあって地の文も普通にレベルが高く、違和感を覚えずに素直に作品の魅力に惹き込まれながら読むことができました。ほら、最近だとゼ口の使い魔11巻(一応伏字)など、読むに絶えないと言うか明らかに手抜き感溢れた酷い文章だな、なんて思いません?それ以前に内容や展開も微妙ですけど。そう言えば12巻買ったけど読んでないね……(´・ω・`) まぁゼ口の使い魔は4巻発売の頃から買ってたのに、最近は本当に惰性で買ってます。やっぱ長く続くと駄目だね(´・ω・`)


話が逸れてごめんなさい。
そういう訳で「たま◇なま ~生物は、何故死なない?~」面白いです。「面白いぜ」とか巻末に自画自賛しながら超奇跡でハッピーエンドな展開をしてくれて読んでて唖然とさせてくれた黒いシェアワールド第3巻と違って、本当に読者を引き込む魅力に溢れてます。敢えて欠点を挙げるならば、ちょっと力強さが足りなかったいうか、1巻にまとめるために端折ってしまったのか見せ場がやや駆け足だったり全体的に起伏の無さ目に付いた点でしょうか。それでもそれを補って余りあるほどの魅力溢れる作品です。今「はぴねす!」やってるんですが、どっち先に読み勧めようか悩むくらいに。


それにしても小説をネタバレ無しに説明するのって難しいですよね。起承転結の転以降については基本的には触れられないし。