学戦都市アスタリスク 14 熾烈魂戦

著/三屋咲ゆう イラスト/okiura レーベル/MF文庫J

MF文庫J4月新刊。
《星武祭》史上最強最高の猛者が集った《王竜星武祭》の本戦=ベスト16の1回戦8試合をひたすら全試合やりました。
正直名前知らないキャラや、特に本編で出番のなかったキャラ、話的には割とどうでもいいレスターが勝ち上がったり、新キャラが出てきたりと、かなり散漫なお話だった気がしました。
今まで天霧綾人を物語の中心に添えた骨太のストーリーだったのに、急に群像劇になって面食らったというか。
《王竜星武祭》はユリスのお話なので仕方ないんだけど、特にここまでずっと主人公を張っていた綾人が、1回戦で能力の元となる星辰力に干渉して発動を封じるチート能力持ちと戦った以外に、ほとんど出番がありませんでした。
作者的にはいろいろ設定を練り込んだりして思い入れのあるキャラたちなのかもしれませんが、読者からするとチーム・エンフィールド(と一部のキャラ:ex大師兄)以外は基本的に枝葉末節なわけで、なのでイマイチのめり込めませんでした。
もうちょっと取捨選択して、主人公とその周りににスポットライトを当てた普通の構成の方が好きです。
インテルが欧州チャンピオンズリーグで、バイエルンなど各国リーグを制覇した並み居る強豪クラブを片っ端から全撃破して優勝した、的な話の方がテンションあがりませんか?
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ユリスが大師兄に勝った試合は素敵でした。
最初は新技連発、ストックが切れてからは試合中に即興の新技を連発しだしたユリス。
トップランカーたちと比べると才能で大きく劣る秀才型のユリスが、しかし即興魔法という誰にも負けない自分だけの才能を開花させた、ワクワクさせられる試合でした。
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大師兄は厳しい修行の末に、永遠の一番弟子を脱してシンルーからライバルと認定されることに。
今はスタイルの切り替えタイミング故に格下のユリスにも不覚をとったものの、そう遠くないうちに、綾人やらなんやら全員凌駕して世代最強になることでしょう。
大師兄はこっそり綺凛ちゃんとも仲良くなってたし、最終盤で綾人たちがピンチになった時に颯爽と助けに来てくれそう。
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ベスト8が出そろいましたが、黒騎士戦で大けがを負ったレスターが棄権するため対戦相手のユリスは不戦勝に。
次は準々決勝の残り3試合と、ユリスが空いた時間にちょっと何かするお話です。