大国チートなら異世界征服も楽勝ですよ? 4 現地嫁を訪ねるために諸国外遊に出かけます。

著/櫂末高彰 イラスト/三上ミカ レーベル/MF文庫J

MF文庫J2月新刊。
異世界召喚されて、呪殺されたグロリア帝国の皇帝・アルフォンソ1世の替玉となった主人公の物語。
1巻では天才軍師のチートキャラを大国の国力で捻じ伏せ、2巻では神の武具に選ばれた七勇神姫を大国の国力で捻じ伏せ全て嫁にし、3巻では大伸ゼーバを大国の国力で捻じ伏せ慈愛の女神クオーレを嫁にした皇帝(替玉)。
神様まで攻略してこれ以上どうやって話を膨らませていくのかと思ってましたが、ここからは各国に外遊して嫁たちを一人ずつ掘り下げ親密度を高めながら、同時に、世界各地で戦乱を起こしては両陣営に武器を売りさばく死の商人、さらに貸し付けた戦費の返済を盾に国自体をも傀儡にして都合よく操る世界を裏で牛耳っているヴェイルジェンドン家との戦いが始まるようです。
今回はその末端が登場しています。
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最初の攻略嫁は火の嫁マリアンヌ。
小国程度なら一夜にして滅ぼす伝説の古代竜セキリンダイシンリュウを従える史上最強の竜騎士姫です。
そんな一騎当千嫁なマリアンヌの故郷・山岳国家ブリムレックに忍び寄る魔の手。
偉大なる竜騎士カントルーブ公爵が地元の温泉街をひいきして、他所に嫌がらせをはじめたのです。
情報収集を行う中で、その行動理由が地元温泉の源泉枯渇にあると見抜いた皇帝(替玉)は、グロリア帝国の国力に物を言わせて競合する温泉街を盛り立て、そこに攻め入らんとしたカントルーブ公爵との戦をさけるために、国力に物を言わせて偽の温泉街をまるまる作って攻めさせ、そこに仕掛けた大規模捕縛魔法で見事一人の死者も出さずに公爵を捕獲したのでした。
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その後、帝国の威信をかけて源泉を掘削し堀り当てたことで対立の火種は消え、ヴェイルジェンドン家の姦計は今回は潰えたのでした。
マリアンヌは、師でもあるカントルーブ公爵との戦いを決意した時に、お前は俺の嫁だ、もう強い姫騎士を演じないでいい、後はこの俺に任せろと強引に言われて胸キュン。戦わずに最高の結果を得たことでそれは燃え盛る恋心となり、本気で皇帝(替玉)の正妻を狙うことに決めたのでした。
めでたしめでたし。
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温泉編なのでもちろん入浴シーンがあります。
巻頭カラーイラストは6ページ丸々使ってのヒロイン温泉入浴シーン。
三上ミカ先生最高や!
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しんどい展開がなくて、スカッと楽しく読めます。
皇帝(替え玉)はほんと凡才なんだけど、周りに助けられながら、でもここ一番では主人公らしい泥臭い格好良さを如何なく発揮して、素敵な主人公だと思います。
次巻も楽しみ。